サンクスカードとは仕事中に感じた感謝をメッセージで従業員同士で送りあう取り組みです。マイナビ、ライフネット生命、ファンケル等の大企業なども取り入れているところが多いようです。サンクスカードの導入が始まった当初は紙媒体での運用が主流でしたが物理的・時間的・労働コストから下火になったようです。最近ではサンクスカードを会社に導入するための以下のようなアプリがツールとして登場しています。
以上のようにサンクスカードアプリの中にはポイントをつけたり金銭を付与するピアボーナスが付随しているケースもあるようです。
それではサンクスカードにはどのような効果があるのでしょうか?ここではサンクスカードによって期待できる効果を5つ紹介したいと思います。
サンクスカードでは自分が助かったこと、感謝したいことをメッセージの形で送り合います。やる気の湧くようなポジティブな言葉を送ったり送られたりすることによって仕事へのモチベーションが向上します。高いモチベーションで仕事に取り組むことによって従業員満足度やエンゲージメントが上昇し会社への愛着が湧くことが期待されます。
サンクスカードはコミュニケーションの新しいカタチになるでしょう。実際に対面で感謝を伝えることが苦手という社員でもサンクスカードを導入することによって気楽にポジティブなメッセージを送ることができます。また、サンクスカードによって良い印象を与えあうことで声をかけるハードルが下がり、画面外でのコミュニケーションの活発化に繋がります。
サンクスカードの導入は従業員一人一人の会社への満足度が向上とコミュニケーションの活発化に繋がることを以上で説明しました。このようなメリットが職場の雰囲気が改善しより従業員に愛される会社となることに繋がります。雰囲気が良く、満足度が高い会社からは進んで離職したいと思う従業員はいないはずです。
サンクスカードでは相手のいいところを探しそれを文字にして送ることが求められます。共に働く人を良く見て褒める点を探そうとすることによって社員同士の相互理解に繋がるほか、常に他の人を観察するという癖が常態化しそれは相手の良さだけでなく問題点や改善点を見つけることにも一役買うでしょう。 また、サンクスカードを受け取ることによって自分の知らなかった良さや自分の業務の重要性、どのように役立ったかを知ることができます。サンクスカードによって会社が自分にどのようなことを求めているのかが分かればその会社の理念にも触れることにもなり、従業員全体の働く意識を統一することにも効果的だといえます。
サンクスカードの内容やその数を分析すれば従業員一人一人の会社への貢献を細かいところまで可視化できます。これによってその組織の特徴が把握出来たり見えなかった長所や特技が見つかる可能性が高まります。また、学術的にもサンクスカードに肯定的な人は会社への満足度が高いという調査結果が出ています。このことからサンクスカードには社員の会社への印象や離職しそうな社員を特定するという機能もあるといえます。
(参考):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasve/26/0/26_11/_pdf/-char/ja
サンクスカードの導入にはこれらような効果が期待できることが分かりました。ではサンクスカードにはメリットしかないと言えるのでしょうか?
以上のように会社に様々な良い影響を与えるとされるサンクスカードですが見落としがちなデメリットが存在します。ここではサンクスカードのデメリットの例として4つを紹介したいと思います。
誰が誰にどのような内容のサンクスカードを送ったのかを把握するのには労力を消費します。特にその内容を分析しようとするとその為の人員を確保する必要があったり従業員のタスクが従来のものに積み重なる形で増えたりします。このタスクを肩代わりしてくれるアプリケーションも存在しますが必要以上のサービスだったり費用が掛かったりなど、そこにも様々な問題が出てきます。
サンクスカードは社員がもともとあるタスクに上積みする形でのコミュニケーションになります。特に紙媒体での運用となると手書きでサンクスカードを書くことは時間的にも心理的にも負担になる可能性があります。サンクスカードにノルマが設定されている場合負担を感じサンクスカードというシステム自体に嫌悪感を持ってしまうでしょう。これはサンクスカードの効果を打ち消すものになってしまいます。また、集計、レポート作成までしようとすると更なる人員と労力を必要とします。
サンクスカードの運用に関する記事でよく目にするのが「三か月の壁」というワードです。サンクスカードの運用は三か月を境に失敗してしまう可能性が高いということを示しています。サンクスカードは長期スパンで活動するのが前提のものです。なぜならサンクスカードは従業員全員の積極的な参加が不可欠なものでサンクスカードを提出する習慣が定着するまでに時間がかかるからです。効果が数字となって表れるのは定着化してからまたさらに時間がかかり、なおかつ効果が抽象的です。サンクスカードは形骸化しやすく、効果が出るのに時間がかかるものだと言えます。よって、よほど目的がはっきりしていないと風習だけ残り表面上だけのやり取りになってしまうことが往々にしてあります。
感謝に対する価値観は人それぞれです。形として表すことにわざとらしさを感じ嫌悪感を持つ人もおり、特にアプリなどを利用したピアボーナス制を採用しているとその傾向は高まります。また、ノルマが決められていたり業務としての性質が高いとサンクスカードを受け取っても素直に喜べなくなってしまいます。そのような人々が積極的にサンクスカードの活動に参加できなくなることでサンクスカードが形骸化しやすくなってしまいます。
前の章ではサンクスカード導入におけるデメリットを紹介していきました。サンクスカードの運用には長期的なスパンが必要で社員に定着させることが難しいということが分かってもらえたかと思います。ではサンクスカードを社内全体に定着化させ、有効活用するためにはどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。そのためのポイントを紹介していきます。
サンクスカードは導入すれば勝手に運用されるものではありません。定着化のためには最初は導入推進者が積極的に活動していくことでサンクスカードを送りあうハードルを下げ、社員全員が参加しやすくするする必要があります。
今までやらなかったことを習慣化するのは誰にとっても大変なことです。最初はノルマ(最低利用枚数)を設けることによって強制的に習慣化させましょう。この時にノルマを通常業務を圧迫する枚数にならないように設定することが大切です。 また、フィードバックが遅いとその感謝の言葉をもらっても次に生かしづらく、実感も湧きません。「すぐに書くそしてすぐ届ける」ができるシステムづくりをする必要があります。 さらに言うと、サンクスカードによってどのような効果を期待するかの目的を定めることにより、社員に当事者意識を持ってもらうことが大事です。集計日を決めてレポートを作りサンクスカードの効果を分かりやすくするとよいでしょう。
サンクスカードは従業員全体を巻き込むものなので、全員がどれだけの効果を感じているかや運用方法の改善を測るためにモニタリングを実施する必要があります。管理者がサンクスカードの利用状況を把握し、状況が悪化したら原因を突き止め改善していくことが大切です。このことによってサンクスカードが定着化し、より効果を得やすくなります。また導入後の改善により集計にかかるコストを見直し、小さくできる可能性があります。
サンクスカードのデメリットは以下のように3つの視点から分類することができます。
以上から、サンクスカードの導入は様々な面からのデメリットがあり、サンクスカードを活用していくには人的、金銭的リソースをしっかり充てねばならず、手軽に始めるにはハードルが高いということが言えるでしょう。
システムを導入するときにはその目的をはっきりさせることが大事です。「なぜ導入するのか」「導入することでどのような課題が改善されるのか」をはっきりさせておかないとゴールが分からずシステムが形骸化しやすくなってしまいます。それではサンクスカードにはどのようなメリットがあるか今一度確認しましょう。
もし従業員の仕事への満足度の上昇、コミュニケーションの活発化、離職率の低下を目的とし、サンクスカード導入よりも小さいコストで短期間で効果を感じたいのであればおすすめしたいツールがあります。
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今回はサンクスカードについての解説していきました。
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