介護離職の問題の解決策とは?企業が取り組める6つの対策をご紹介!

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介護離職の問題の解決策とは?企業が取り組める6つの対策をご紹介!

介護離職は社会問題として取り上げられています。経済産業省の産業構造審議会部会は、介護離職による経済的損失は6,500億円と発表して、大きな話題を集めました。
企業はどのような損失を受けるのでしょうか?介護離を防止するために取り組める対策はあるのでしょうか?今回は介護離職の問題を解決する方法について解説します。従業員が働きやすい職場に改善したいと考えている方は、この記事を参考にしてみてください。

本記事のサマリー

  • 介護離職とは、家族を介護するために仕事を辞めることを指す
  • 介護と仕事の両立が難しく、ベテラン社員が介護離職してしまう
  • ベテラン社員に介護離職されると大きな損失を被る
  • 企業は介護と仕事の両立ができる職場を提供して介護離職を防止する
  • 仕事と介護の両立支援制度を周知して利用してもらうことが大切
  • 介護は大きな負担となるためメンタルヘルスケアも必要
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介護離職とは

介護離職とは、家族を介護するために労働者が仕事を辞めることを言います。
70代以上の親を介護する40代、50代の中堅社員が、介護と仕事の両立が難しくなり離職するケースが多いです。
厚生労働省「仕事と介護の両立 ~介護離職を防ぐために~」によると、日本は少子高齢化が加速しており、介護保険制度上の要支援・要介護認定者が増えていきます。団塊世代が70代に突入すれば、更に要支援・要介護認定者は増えるため、介護離職する方も増えていくことでしょう。
業務を熟知した中堅社員が介護離職すると、企業は大きな損失を受けてしまうため対策を考える必要があります。

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日本における介護離職の現状

社会問題として取り上げられている介護離職ですが、どれぐらいの人が退職しているのでしょうか?次に、日本における介護離職の現状をご紹介します。

1年間に約9.3万人が介護離職している

介護離職している人は、年間9.3万人います。
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、2021年度の離職者数は約717万人となっています。個人的理由で離職している人は約517万人で、介護離職が理由な人は約9.3万人です。

40代・50代の中堅社員が介護離職している

厚生労働省の同調査によると、介護離職をする人は「40代」「50代」が多いです。
つまり、業務について熟知したベテラン社員が介護離職してしまっているのです。貴重な人材が介護離職してしまうと、企業は大きな損失を被ることになります。
日本は労働人口が不足しているため、ベテラン社員と同等のスキルを持った社員を採用するのは想像以上に難しいです。そのため、ベテラン社員が離職しないように、介護離職の対策を行う必要があります。

介護離職による経済損失は6,500億円

経済産業省の産業構造審議会部会は、介護離職せず、社員が働き続けていた場合に得られる所得額を約2700億円。これに企業が生み出す付加価値への影響額を合算すると、介護離職による経済損失は6,500億円と述べています。大きな経済的損失となるため、2015年9月安部首相は介護離職ゼロを目標に掲げました。

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介護離職が発生する原因

介護離職が発生する原因は3つあります。

仕事と介護の両立が難しい職場だった

仕事と介護の両立を試みても、計画通りに進みません。その理由は、要介護者の急な体調不良により病院への付き添いなど、突然の介護が必要になるためです。
企業側が介護者の状況について理解を示さないと、介護で何度も休むことへの後ろめたさを感じさせてしまいます。
また、要介護者の状態次第では付き添いが必要になり、会社へ出社することが難しくなります。 このように、企業側が介護者に対して理解を示さず支援を行わないことによって、介護離職が発生しているのです。

介護に疲れて健康状態が悪化した

仕事と介護の両立は、介護者の心身的な負担となります。その理由は、重労働で疲労が溜まるためです。また、要介護者の急な体調不良で病院に付き添うなど、突発的に仕事を休まなければいけません。責任感が強い人であれば「仕事の責任を果たせなかった」と自分を責めてしまうでしょう。
さらに、介護は脳卒中や心疾患などの病気により突然始まり、終わりの期日が定められていません。そのため、介護者は「いつまで介護を行うのだろうか?」と不安を抱きがちです。このような不安が募り、ストレスを溜まることで、介護者自身が健康を崩してしまうのです。

介護の負担が増えた

仕事と介護を両立する場合は、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを利用する場合が多いです。 しかし、介護業界の人材不足の影響を受けて「訪問介護の希望日に応えてもらえなかった」「特別養護老人ホームに入所させてもらえなかった」などの事態が起きる場合もあります。
このようなイレギュラーな事態で、介護の負担が増えてしまうと、仕事と介護の両立が難しくなります。

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介護離職が企業に与える影響

さまざまな理由で介護離職が起きていますが、企業が受ける影響には、どのようなものがあるのでしょうか?次に、介護離職が企業に与える影響をご紹介します。

大きな損失を被る

従業員が介護を理由に離職してしまうと、採用や教育にかけたコストが無駄になってしまいます。 株式会社リクルート 就職みらい研究所「就職白書2020」によると、新卒採用と中途採用の平均コストは以下の通りです。

[平均コスト]
●新卒採用1人当たりのコスト…約93.6万円
●中途採用1人当たりのコスト…約103.3万円

また、業務を覚えた従業員が離職すると、企業側は大きな損失を被ることになります。一般的に、その損失額は退職前の年収の1/2と言われています。この調査結果からも分かるように、介護離職されてしまうと大きな損失を被ることになるのです。

既存社員の負担が増える

介護離職されてしまうと、既存社員の負担が増えて不満を持たれてしまう恐れがあります。介護離職した方の業務を担う人を新たに採用すれば、不満は持たれません。
しかし、少子高齢化社会で労働人口が減少しているため、求人募集をしても人材が集まりにくいのが現実です。上手く採用ができなければ、その期間は既存社員の負担が増えてしまいます。このような状況が続くと、従業員が不満を持ちやすくなり、離職率が上がるため注意が必要です。

企業のイメージダウンになる

仕事と介護の両立がしやすい職場を作る企業が増えていく中で、環境整備ができていないと企業のイメージダウンになります。働きにくい職場だとイメージが着くと、人材採用が難しくなってしまうでしょう。
また、インターネット掲示板に離職者が口コミを書いてしまうかもしれません。このような口コミは広がりやすいため、企業イメージを下げないためにも、介護離職の防止策を考える必要があります。

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介護離職を防止するための対策方法

介護離職されてしまうと、企業は大きな損失を受けます。このような介護離職の問題を防止するために、どのような対策を打てば良いのでしょうか?ここでは、介護離職を防止するための対策方法をご紹介します。

[はじめに]仕事と介護の両立に関する実態を把握する

介護離職を防止するための対策方法には、さまざまな方法があります。どの対策が良いかを検討する前に、従業員にアンケートやヒアリングを実施して、介護が必要になりそうな人はいるのかを確認します。
また、介護に対する理解がどれだけあるかを確認してください。下記の内容を確認して、どの対策が向いているかを検討していきます。

[把握すべきこと]
●属性(役職、雇用形態など)
●介護に関する状況(介護経験の有無・可能性、介護中の働き方に対する意識)
●仕事や職場の状況(労働時間、休暇、職場のコミュニケーションなど)

厚生労働省「仕事と介護の両立支援ガイド」に従業員実態把握調査票が掲載されているため、ヒアリングシートの参考にしてみてください。

介護に必要な情報を提供する

親の病気で突然、介護が必要になるため、従業員が介護に直面する前に必要な情報を提供しておきましょう。
実際に介護に直面した際に仕事と介護の両立をイメージさせてみたり、介護に関する基本的知識が学べる場を提供したりします。事前に情報を提供しておけば、従業員も慌てずに済み、仕事と介護の両立がしやすくなります。
どのような情報を提供すべきか、下記を参考にしてみてください。

●仕事と介護の両立支援制度について説明する
●仕事と介護の両立を企業が支援する方針であると周知する
●介護に直面しても仕事を続けるという従業員の意識の醸成
●介護が必要になった場合に相談すべき窓口を周知する
●親や親族とコミュニケーションを取る必要性を伝える

仕事と介護の両立制度の理解を深める

大きな経済損失に繋がる介護離職を防止するために、政府は「仕事と介護の両立支援制度」を設けています。この制度の内容に対する理解を深めて、介護者が現れた場合に速やかに手続きが行える状態にしておきましょう。
制度名 仕事と介護の両立支援制度

仕事と介護の両立制度

テレワークを導入する

介護離職の防止対策として、テレワークの導入を検討してみても良いです。テレワークは、仕事を行う場所を選べます。フレックス制度や業務委託契約への切り替えなどで、働く時間も調整できるようになれば、仕事と介護の両立がしやすくなります。
場所や時間に縛られない自由な働き方を実現できれば、出勤時間を在宅勤務時間に捻出できるでしょう。勤務時間や休憩時間の調整がしやすくなれば、介護が行いやすくなります。

助け合う職場の風土づくりをする

仕事と介護を両立する上で大切なことが、職場の理解です。仕事と介護の両立支援制度を設けても、上司が介護を他人事として捉えてしまうと期待する効果は見込めません。
また、介護者の業務負担を減らすと、他の社員の業務負担が増えます。介護者の業務を引き継ぐ人員を確保できれば問題は発生しませんが、人員確保は現実的に難しく、他の従業員が不満を訴えてくるでしょう。このような問題が発生すると、介護者は後ろめたい気持ちになって離職してしまいます。
そのため、介護の問題は誰もが直面するため、お互いに助け合う職場風土を醸成しましょう。職場の風土の醸成づくりには、経営陣が声かけすることが大切です。

働き方改革を行う

働く場所や時間に融通が利く職場は、仕事と介護が両立しやすい職場です。多様な働き方を実現して融通を効かせるためにも、長時間労働になりがちな職場は、働き方を見直すことから始めてみましょう。長時間労働の問題を解決するために取り組めることは、以下のようなものが挙げられます。

[働き方の見直し方]

  1. 会議時間を見直して終了時間を厳守する
  2. 会議時間を短縮するために結論から話す
  3. 報告書はフォーマット化する
  4. 資料作成を依頼する場合は「目的」「用途」を明確にする
  5. 書類の整理整頓をして探索時間を削減する
  6. 業務をマニュアル化する
  7. 労働時間を適切に管理する
  8. 相手を信頼して仕事を任せる
  9. スケジュールを共有する
  10. 集中タイムを設ける
  11. 仕事の効率化の方法を共有する

メンタルヘルスケアを実施する

介護中の従業員は心身的な負担を抱えて不安を抱きやすい状態になっているため、適切なメンタルヘルスが必要です。そのため、産業医や産業保健師を採用して、専門家にアドバイスやサポートを受けられる体制を整備しましょう。
特に産業医は労働衛生の専門家として豊富な経験を持っており、仕事と介護の両立についてアドバイスができるためおすすめです。
また、サーベイツールを使用して、従業員の健康状態が良好かをチェックすることも大切です。数値に異変が起きている従業員がいたら、声をかけたり相談窓口を利用してもらったりなどケアを促してください。

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まとめ

今回は介護離職について解説しました。結婚や育児とは異なり、介護は突然訪れるため備えていなければ、心身的な負担となります。仕事と介護の両立が難しいと感じたら、介護離職せざるを得ません。
介護離職されてしまうと、企業も大きな損失を被ることになります。そのため、仕事と介護の両立支援制度について理解を深めておき、介護者を支援するための対策を打ちましょう。

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