従業員の意欲を向上させるパフォーマンスマネジメントとは?成功ポイントや事例を解説

健康経営タレントマネジメントモチベーション

「従来のマネジメント手法がどんどん通用しなくなっているのを感じている」
「従業員のモチベーションを高めるのが難しい」

多くの管理職は上記のような課題を抱えながら、日々従業員のマネジメントに奮闘しています。従業員のマネジメント手法には様々なものがありますが、昨今のビジネス環境の変化の早さついていけない手法も増えてきています

そうした中で注目を浴びるのがパフォーマンスマネジメントという管理手法です。パフォーマンスマネジメントはその名の通り、従業員のパフォーマンスやモチベーションを向上させることを目的に据えています。その結果、従業員の主体的な行動が期待でき、従業員から会社に対する信頼も向上させることができるのです。

本記事では、このようなパフォーマンスマネジメントについて、期待される3つの効果成功させる4つのポイントを解説します。またパフォーマンスマネジメントを成功させたスターバックスコーヒージャパン株式会社の例も紹介するので、今後の管理手法の参考にしてみてください。

パフォーマンスマネジメントはあくまでも従業員と会社の未来に向けたマネジメント手法です。そのため変化の早い時代に最適なものとなっています。

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本記事のサマリー

  • パフォーマンスマネジメントとは、従業員のパフォーマンスを高めるために個々の特性に応じて、行動に対するフィードバックを実施し、能力およびモチベーションを高めるマネジメント手法。
  • 目標管理制度の問題点は3つ(①業務の結果を評価する点が従業員のモチベーションに繋がりにくい、②評価する上司と評価される部下に分かれてしまう、③相対評価が多くなり、チームワークの構築が難しい)
  • パフォーマンスマネジメントに期待される効果は3つ(①主体性の育成、②従業員の特性の把握、③会社に対する信頼の向上)
  • パフォーマンスマネジメントを成功させるポイントは4つ(①管理職の意識改革、②会社の考えを周知、③従業員の不安を否定しない、④会社全体で行動する)
  • パフォーマンスマネジメントの成功例(スターバックス)

目次

パフォーマンスマネジメントとは

パフォーマンスマネジメントは、1970年代にアメリカのオーブリー・C・ダニエルズによって提唱された手法です。そのため必ずしも新しい時代に提唱された手法ではありませんが、現代にも通用するものとして注目が集まっています。

パフォーマンスマネジメントの特徴は次の4つです。

●上司と従業員のコミュニケーション頻度が高い
●フィードバックがリアルタイムに実施される
●従業員の特性に応じたコーチングを行う
●過去を評価しない

このようにパフォーマンスマネジメントでは、積極的にコミュニケーションをとりながら従業員の特性に応じた対応を実施していきます。また積極的にコミュニケーションをとることからフィードバックもリアルタイムに行われ、他のマネジメント手法のように過去を評価しません。

そのため従業員一人ひとりの個性に応じたコーチングを実施できる点が大きな特徴です。また過去を評価しないため未来に向けてどうしていくのかを重視した手法ということができます。

パフォーマンスマネジメントが求められる背景

本記事の中盤で解説しますが、パフォーマンスマネジメントは従業員の主体性を養う効果を持ちます。昨今はビジネス環境の変化のスピードが上がっており、主体性をもって仕事に臨むことのできる従業員が求められています。こうした点も現代においてパフォーマンスマネジメントに注目が集まる背景となっているでしょう。

裏を返すと、従業員の個性や特性をおさえて会社全体で一つの舵をとるようなマネジメント手法は現代では通用しなくなっているのです。特に日本の場合は労働人口の減少も懸念されることから、従業員の離職を防ぐといった意味においても個々の特性を尊重したコーチングが求められます。

これまでの管理手法が通用しなくなっていると感じる場合はぜひともパフォーマンスマネジメントを取り入れてみてください

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目標管理制度の問題点

パフォーマンスマネジメントの重要性を知る目的で、従来から使われてきた目標管理制度(MBO)の問題点についても触れておきましょう。

目標管理制度とは、次のステップを繰り返して実施するマネジメント手法です。

●目標の設定
●目標の適正化
●行動
●結果の評価

目標管理制度では、1年を1サイクルとして上記のステップを実施していきます。こうした目標管理制度には次の3つの問題点が指摘されています。

●従業員のモチベーションに繋がりにくい
●上司と従業員の立場が分かれる
●チームワークの構築が難しい

以下ではそれぞれの問題点について詳しく確認していきましょう。

従業員のモチベーション向上に繋がりにくい

目標管理制度は従業員を業務結果から評価する制度です。つまり過去の結果により評価される側面が強いので、将来におけるモチベーションを醸成しにくいというデメリットがあります。また目標管理制度そのものにはコーチングのプロセスが織り込まれていない点も従業員のモチベーション向上が期待できない理由です。

さらに、様々な業務に従事する従業員がいる中で、職務を横断した評価基準を設定するのが難しい点も指摘されています。そのため基準によっては従業員の中に不平等に評価されている意識が生まれてしまいます。このように目標管理制度は従業員のモチベーション向上に繋がりにくい構造を持っているのです。

上司と従業員の立場が分かれる

また目標管理制度では、評価する上司と評価される従業員という形で両者の立場が明確に分かれます。そのため自ずと両者の間に溝ができやすくなり、ときにはそれが対立になるケースもあります。

本来であれば同じ会社に所属する以上、上司も従業員も同じ方向を向いて仕事を行うべきですが、それを分断する恐れがあるのが目標管理制度です。当然ながら立場が分かれることで信頼関係が構築しにくくなります。

チームワークの構築が難しい

目標管理制度は、ときに従業員同士の対立を生みます。従業員は組織内で相対評価される形になるため、評価の高い従業員と評価の引く従業員がどうしても生まれてしまうためです。このような構造は当然ながら適切なチームワークの構築にネガティブな効果を生みます。

このように目標管理制度には、チームワークや信頼関係の構築を妨げる構造があるのです。そのため変化のスピードが早い現在のビジネス環境では問題点が指摘され、結果としてパフォーマンスマネジメントに注目が集まるようになりました。

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パフォーマンスマネジメントの3つの効果

先ほどは目標管理制度の問題点を確認し、パフォーマンスマネジメントに注目が集まる理由を解説しました。続いては、パフォーマンスに期待できる3つの効果を確認していきましょう。

主体性の育成

パフォーマンスマネジメントでは従業員一人ひとりの特性に応じたコーチングを実施していきます。従業員の立場からみると、自分の個性を知った上で上司がコーチングをしてくれるのです。そのため従業員の会社に対するエンゲージメントも高まり、従業員が自ら積極的に会社のために行動・提案をする効果が期待できます

このようにパフォーマンスマネジメントは従業員の主体性を育成する効果があるのです。中には上司のコーチングを受けながら積極的に新しい提案・施策を実施して効果を上げる従業員も現れるでしょうし、新提案は苦手ながらも堅実な作業でミスなく管理業務を徹底できる従業員も現れるでしょう。またそれぞれの従業員が自らの特性を押し殺すような業務を求められずに済むため、自ずと主体性が向上するのです。

ビジネス環境がどんどん変化していく現代においては、従業員が主体的に課題を発見し、それを会社全体で解決する姿勢が非常に重要です。現場で働く従業員が経営者には見えない課題に気づく場合もあるでしょう。このようにパフォーマンスマネジメントに期待できる効果は現在のビジネス環境にも合致したものと言えます。

従業員の特性の把握

パフォーマンスマネジメントは従業員の特性の把握が前提となります。そのため会社としては、従業員の特性を知った上で適材適所を実現できるのです。より具体的に、上司目線では各従業員の長所と短所を把握できます。そのためそれぞれの従業員にどのような形で業務を任せると全体の生産性が向上するかが見えてくるのです。

例えば、中には細かくフォローすることで成果を上げる従業員もいるでしょうし、反対にある程度は自由に行動してもらって大きな方向性のズレがないかだけ定期的に確認することで成果を上げる従業員もいます。また、細かな作業をミスなく徹底できる従業員もいれば、チームメンバーを巻き込んで新しいプロジェクトを引っ張っていくことのできる従業員もいます。

このようにパフォーマンスマネジメントを実施することで、従業員の特性がこれまで以上に見えてくる効果が期待できるのです。

会社に対する信頼の向上

最後に、パフォーマンスマネジメントは従業員の会社に対する信頼の向上にも繋がります。従業員は上司からこまめなフォローを受けながら、自らの特性に応じた業務に携わることができるためです。パフォーマンスマネジメントを繰り返すことで、従業員自身の中にも自らの進むべき方向性が見えやすくなり、この点も会社に対する信頼の向上に役立ちます。また、結果のみを評価するのではなく、結果に至るプロセスを評価して成長機会を提供する勇気づけは心理学の面からも従業員のモチベーションを高めるとされています。

会社に対する信頼が向上すると、当然ながら離職リスクは低下します。離職リスクが低下すれば、採用コストも下がり、会社は新たな投資に資本を利用できます。職場環境をより良くする施策に投資をして従業員のモチベーションをさらに高めても良いでしょうし、組織拡大もしやすくなります。

このようにパフォーマンスマネジメントには従業員の会社に対する信頼を向上させる効果が期待でき、それにより会社全体が好循環を生み出す可能性が高まります

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パフォーマンスマネジメントを成功させる4つのポイント

先ほど解説した通り、パフォーマンスマネジメントには会社を良い方向に進める3つの効果があるとわかりました。従業員の主体性を向上させるだけでも会社に対するメリットがあります。そのためこれまでのマネジメント手法の効果が薄れていると感じる場合はぜひともパフォーマンスマネジメントを取り入れてみるべきでしょう。

ここからはパフォーマンスマネジメントを成功させる4つのポイントを紹介します。パフォーマンスマネジメントも適切に実施されなければ当然効果を上げないので、ポイントを確認しながら自社で実施するイメージを深めていってください。

管理職の意識改革

本記事をここまで読んで気づいたかもしれませんが、パフォーマンスマネジメントを適切に実施するためには上司である管理職の行動が非常に重要になります。パフォーマンスマネジメントは上司が従業員の特性を把握した上で、こまめなフォローとコーチングをしながら従業員を育成していく手法だからです。

極端な例をあげると、ことあるごとに従業員を皆の前で怒鳴りつけるような上司がいるとパフォーマンスマネジメントは成功しません。従業員は萎縮し、主体性を失い、上司や会社に対する信頼をなくすためです。そして一度壊れてしまった信頼を修復するのは非常に難しいのです。

パフォーマンスマネジメントを成功させるためには、管理職に次のような能力が求められます。

●従業員のモチベーションを高める形でフィードバックを行うノウハウの習得
●従業員の特性を見極めるスキルの向上
●パフォーマンスマネジメントの特徴と手法に対する深い理解

パフォーマンスマネジメントを成功させるために、まずは管理職の意識改革から着手していきましょう。管理職単独でパフォーマンスマネジメントを成功させる土台づくりが難しい場合は、人事が研修を行うなどして積極的に管理職に協力する必要があります。

会社の考えを周知

パフォーマンスマネジメントを始める際は、なぜ始めるのか、何を目的にしているのか、どんな意味を持つのか、どのように活用してほしいのか等に関する会社の考えを上司や従業員に周知するようにしましょう。従業員への周知なくいきなり上司がパフォーマンスマネジメントを開始するよりも、効果が出るまでの期間を短くする効果が期待できます。

従業員としても急にマネジメント手法が変わると動揺するので、まずは会社からの周知があると良いでしょう。周知を実施することで従業員もパフォーマンスマネジメントの全体像を知ることができ、自らがどのように行動すると良いかのヒントを得られます。

従業員の不安を否定しない

新しいマネジメント手法を導入する際、従業員に不安が生まれる場合があります。パフォーマンスマネジメントを成功させるためには、こうした従業員の不安に寄り添う姿勢が重要です。

むしろこうした不安の解消からパフォーマンスマネジメントは始まっていると言って過言ではありません。変化に対して個々の従業員が見せる反応を知ることで従業員の特性の把握に繋がるためです。会社からの周知と合わせて、従業員に対して説明を行い、不安を和らげていきましょう。そうすることで、従業員がパフォーマンスマネジメントの中で個々のモチベーションを高めることができます。

会社全体で行動する

またパフォーマンスマネジメントを実施する際は一つのチームのみで実施するのではなく、会社全体で行動する点が重要です。会社全体でこれまでのマネジメント手法を見直し、新しいことに挑戦できる風土を作っていくのです。

各チームでマネジメント手法にばらつきがあると、チーム間で不平等の意識が生まれ、結果として会社全体でのパフォーマンスマネジメントの成功を妨げる恐れが生まれてしまいます。そのためにも重要な役割になる各チームの管理職の意識を醸成するところから着手しましょう。

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スターバックスコーヒージャパン株式会社の成功例

記事の最後では、パフォーマンスマネジメントを人事考課や目標設定に活用したスターバックスコーヒージャパン株式会社の例を紹介します。

同社では、パフォーマンスマネジメントシートに「個人の成長目標」と「パフォーマンスに関する目標設定」を記載しています。「個人の成長目標」は、自らがなりたいと思い描く人物像や行動を記載し、またスターバックスでの仕事を通して身に付けたいスキルなども記載します。そして「パフォーマンスに関する目標設定」には、店舗のビジョンを実現するために、お客さんや同僚に対してどのように貢献するかという具体的なパフォーマンスについて目標を記載します。

その上で、上司と従業員による「成長を軸にした対話」を行っているのです。従来は「格付けを軸にした対話」を行っていましたが、それをなくす作業を進行させているとのことでした。

このように同社は人と人のつながりを重視して、格付けを軸に据えることから離れて、個々のメンバーの成長を軸にしたフィードバックの仕組みを整えています。これからパフォーマンスマネジメントを始める際は1つの例として参考にしてみてください。

【出典】スターバックスの人材マネジメント ~企業文化をベースとした組織開発への挑戦~

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まとめ

本記事では、パフォーマンスマネジメントの特徴や成功ポイントを解説しました。パフォーマンスマネジメントは変化の早い現代において求められるマネジメント手法であり、従業員の主体性やモチベーションを向上させる効果が期待できます。

従来の目標管理制度に限界を感じている場合、パフォーマンスマネジメントの導入を検討してみてください。パフォーマンスマネジメントを成功させるためには、従業員をコーチングする管理職の意識改革が重要です。まずは人事部が管理職に働きかけ、会社全体でパフォーマンスマネジメントを成功させる土台を築いていきましょう。

これからの時代、適材適所の実現と主体性をもって行動する従業員の存在は非常に重要です。パフォーマンスマネジメントを用いてそれらをぜひとも実現してみてください。

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