組織とは、同じ目的を持って複数人の人が一緒に動く集団のことです。会社をはじめ、経済活動を行う上で必要不可欠な枠組みとなります。組織を円滑に運営し成果に繋げるには、組織マネジメントが重要になってきます。
しかし具体的に何をすればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、組織マネジメントの基本的な知識や有名な理論、組織マネジメントに役立つフレームワークなどをご紹介いたします。
【主なトピック】
【こんな方におすすめ】
組織マネジメントとは、組織が目標達成に向けて円滑に業務を行えるよう、会社の資源・資産・リスクなどを管理することです。組織マネジメントは自分がどの立場にいるかで管理する範囲や内容が変わってきます。つまり、組織の管理者はその組織の目標を達成するためにあらゆる資源を管理する必要があります。
組織マネジメントを行う目的は、組織としての目標をスムーズに達成することです。組織が目標達成のために計画を実行できるよう、あらゆる資源を管理するのが組織マネジメントの役割です。
逆に、組織マネジメントを欠いたら、組織は管理不能となり、目標に向けた計画がうまく実行されなくなってしまいます。それぞれの計画がバラバラに進み、違う方向を向いた仕事が行われてしまう事態は避けたいです。
マネジメントと近い言葉に「リーダーシップ」が挙げられますが、これらには明確な違いがあります。
リーダーシップとは、組織を目標達成へ導くために従業員のモチベーションを上げるなどして引っ張る能力を指します。
一方マネジメントとは目標達成に向けて戦略を計画したり管理することを示します。マネジメントではリーダーシップの他にも目標設定する力や評価測定の力などが求められます。
つまり、リーダーシップとはマネジメントを実施する際に求められる力の一つということです。
ここではマネジメントの父と呼ばれているP.F.ドラッカーのマネジメント理論をご紹介いたします。ドラッカー著書の「マネジメント」は100万部を超えるベストセラーとなり、マネジメントを学ぶ人にとって必読書とされています。
ドラッカー曰く、マネージャーとは「組織の成果に責任を持つ者」です。
そして同氏はマネージャーとなる人の根本的な資質は、「真摯さ」であると述べました。どんなに愛想を良く、人付き合いが良いとしても、真摯さに欠けていたら、良きマネージャーになることはありません。事実、うまくいっている組織の中には、とっつきにくく気難しいのに、好かれている者よりも人を育てるのがうまく、尊敬を集める人がいます。彼らは何が正しいのか見極め、自分にも他人にも一流の仕事を要求し、それを一貫して守ることを徹底します。
マネージャーには、目標のレベルに違いはあれど、以下の5つの仕事に関しては共通していると言えます。ドラッカーはこれら5つの基本的な仕事をこなす能力を向上させればそれだけでマネージャーとして進歩すると述べています。
目標設定:マネジメントの目的は、前述したとおり、組織としての目標をスムーズに達成することです。その「目標」を設定し、そのために何をすれば良いのかを従業員に共有し、理解させるのがマネージャーの仕事の一つです。
組織する:マネジメントにおいて「組織する」とは、目標達成に必要な仕事を分析・分類し、それぞれの仕事で求められる人選を行い組織を形成することです。
動機付け・コミュニケーション:マネージャーは組織のモチベーションを維持する取り組みを行う必要があります。適切なコミュニケーションを図り、時には報酬や昇進などのインセンティブを駆使してモチベーションを維持・向上させます。 社内のコミュニケーションを活性化させる方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
評価測定:従業員の仕事を評価するのもマネージャーの仕事です。そのために評価軸を設定し、部下の仕事を分析して適切な評価をし、フィードバックをする力が求められます。
人材開発:マネージャーの最も重要な仕事の一つとして人材開発が挙げられます。ヒト以外の資源はどの企業も同じように活用されますが、人材はマネージャーの開発次第で大きく業績に繋がるので人材育成は管理者にとって重要な仕事となります。
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マネジメント開発をするうえで、大切なことは体系的に学ぶことです。ドラッカー曰く研修やセミナーはマネジメントを学ぶ道具の一つにすぎないのでこれらに依拠した取り組みはマネジメント開発には当てはまらないと指摘しています。
同氏は組織の目標とそれぞれのマネージャーのニーズが合う場合研修には参加するべきだと言っていますが、研修よりもはるかに大事なのが実際の仕事や上司の助言などの、組織に合ったプログラムだそうです。むやみに研修に参加することを選ばず自社の課題に合った方法でマネジメント開発を行うことが良いでしょう。
ここまで組織マネジメントの基本となる知識について解説してきました。ここからは自社で組織の課題を洗い出す際に役立つフレームワーク「7S」をご紹介していきます。
「7S」とは世界的に有名なコンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニー社が提唱した、組織が持つ要素を分解し、それぞれの要素の関係性を明らかにすることができるフレームワークです。
「組織の7S」とは以下の要素です。
これら7つの要素は「共通の価値観」を中心にお互いに影響しあっています。組織の要素を7つの「S」に分解することによって、全体像を捉えることができるので組織マネジメントのフレームワークとして役立ちます。
7つの要素の中でも、比較的改善しやすい「ハードの3S」と改善するのに時間がかかる「ソフトの4S」の2種類に分けることができます。「戦略」「組織」「社内システム」の3つが「ハードの3S」として捉えられ、「スキル」「人材」「スタイル・社風」「価値観」の4つが「ソフトの4S」として捉えられます。それぞれを見ていきましょう。
「戦略」「組織」「社内システム」からなる「ハードの3S」は、マネジメント層の意思決定次第で変更や改善が比較的安易に行うことができます。
組織戦略とは、経営課題を解決するための方法を考えることです。組織戦略をスムーズにこなしていくことが会社の成長に繋がるので重要な要素なので、マネジメント層の意思決定がカギとなります。
7Sにおける組織とは、チームが高い生産性を維持して成果を出せるように構成された組織構造のことを言います。 誰がどのようなメンバーと一緒にタスクを行うのか、タスクは誰に報告するのか、部門ごとの役割分担はどうなっているのかなどが組織構造に当てはまります。
社内システムとは、従業員のパフォーマンスを最大限生かすための制度のことです。 社内システムが整っていないと従業員が組織として動くことができません。業務マニュアルや作業リストなどはもちろんですが、目標管理制度や会計システムなどもこれに含まれます。
「スキル」「人材」「スタイル・社風」「価値観」から構成される「ソフトの4S」は簡単に改善することができません。これらを変更して定着させるには組織全体が徐々に変わっていかなければならないので改善するには労力と時間がかかります。
7Sにおけるスキルとは、従業員の能力だけを示すのではなく、他社との競争優位性を表します。 マーケットをリードするために、サービスの開発力・営業力・マーケティング力などを検討する必要があります。
7Sにおける人材とは、社員の真の価値を見出すことです。 人材のスキル・得意不得意などは時間をかけて理解する必要があります。そのために、前述した1on1ミーティングなどを通して価値を見出す仕組みが必要になります。
スタイルとは、職場の風土や経営スタイル、仕事のスタイルを指します。前述したとおり、組織風土は従業員のモチベーションに大きく関係します。これは1日の努力で変わるものではないので、日々のコミュニケーションから意識して浸透させていく必要があります。
7Sすべての要素の土台である価値観とは、企業の理念をさします。 企業の戦略にしても文化にしてもこの価値観をベースに意思決定を行うので、変更するのが困難で、定着させるのも時間がかかります。
これらの分解した要素一つ一つを見直していくことで効率的かつ網羅的に組織改善をすることができるでしょう。
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ドラッカーも述べる通り、「人は最大の資産」です。従業員それぞれの満足度が高い状態は組織の成功に導きます。このように、従業員の成功を事業の成功と考え、自社の収益と従業員の幸福度(ウェルビーイング)を両立させる概念を「エンプロイーサクセス」と言います。
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以上、組織マネジメントの概念や求められる仕事内容、組織マネジメントで役立つフレームワワークなどをご紹介いたしました。改めておさらいすると、組織マネジメントとは、組織が目標達成に向けて円滑に業務を行えるよう、会社の資源・資産・リスクなどを管理することです。マネジメントに求められる力は「真摯さ」で、仕事内容は ①目標設定 ②組織化 ③動機付け ④評価測定 ⑤人材開発が主です。また、組織の課題を洗い出す際に役立つフレームワークに「7S」が存在します。
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【参考文献】P.F.ドラッカー(2001)「マネジメント エッシェンシャル版 基本と原則」ダイヤモンド社
【参考サイト】組織マネジメントとは?知っておくべき組織の7S
【参考サイト】組織マネジメントとは?基礎フレームワークの”7S”や必要なスキルを解説
【参考サイト】組織マネジメントの7Sの基本と導入時のポイント