新卒採用や経験者採用を問わず、社内に新人が入社してきた際には、商品知識や専門スキルを習得するための座学研修を実施するのが一般的です。しかし、座学での研修を終えた新人が即戦力になるか?は別問題で、実際は現場でレクチャーしながら教えるOJTが必要になります。
この記事では、新人の即戦力化に不可欠なOJTの目的やメリット、そして育成成果を出すための効果的なOJTの進め方について詳しく解説します。
▶社員の本音がわかる!サーベイ実践のノウハウを公開中!OJTとは 「On-the-Job Training」 の略です。 座学研修を終えて所属部署に配属されてきた新人が現場に配属されたあと、先輩社員から実務を学んでいく教育プログラムのことを指します。
コンビニやカフェで、名札に「研修中」と書かれた若葉マークがあるスタッフをよく見かけます。隣で先輩社員がレジの使い方や案内方法などをレクチャーするのも、代表的なOJTの研修プログラムのひとつです。
ちなみに、OJTは新卒社員だけが対象かというとそうではありません。入社後何年も経過しているベテランスタッフでも、新しい業務を担当する際にOJTを受ける場合もあります。
OJTは特別な場所が必要なわけではなく、通常業務の一環としておこなわれるケースがほとんどです。
OJTは、スタッフの能力開発や人材育成に効果を発揮する研修プログラムです。
ここで、一般企業が社員の能力開発で抱えている課題や「どのようなスキルを身につけて欲しいと思っているのか?」などについて、厚生労働省が発表した調査結果をご紹介します。
以下は、令和2年度に厚生労働省が実施した 「能力開発基本調査」 の結果概要です。
調査結果を見ると、OJTを含む能力開発や人材育成については、ほとんどの企業が 「指導する側の人材不足」や「育成時間の確保」 に問題を抱えていることがわかります。
一方、必要なスキルについては 「マネジメントスキル」や「課題解決スキル」「ITスキル」 など、育成に時間がかかるテーマが求められていることも見てとれます。
上記の厚生労働省の調査結果にもあるように、企業内における人材育成には複層化した課題があります。とくに新人層の育成で成果を出すには工夫が必要で、一般的には 「OJTとoff-jtとの併用」 が不可欠です。
実務をやりながら研修をするOJTに対し、off-jtは実務を離れて研修をおこなうパターンが一般的です。 「どちらを先にやれば効果的か?」は業務内容によっても違いますが、off-jtで学んだことをOJTでアウトプットすると、より効果的な研修がおこなえます。
off-jtとは 「Off-the-Job Training」 の略で、その名のとおり職場を離れた場所でおこなわれる研修プログラムのことをさします。
新人育成には、OJTだけでは事足りない部分がかならず発生します。また、OJTだけに頼った研修の進め方だと職場の先輩社員に負担がかかり、本来の業務に支障をきたしてしまうかもしれません。
たとえば、SaaSなどのソフトウェアを法人相手に販売する場合で考えてみましょう。
BtoBの営業部署に新人配属された新人には、商品に関する知識はもちろん、法人営業で必要なビジネスマナーを習得する必要があります。企業によっては、営業担当者が使うSFAやCRMなどの専用システムの操作方法も覚える必要があるでしょう。
習得すべきスキルがたくさんあるなかでOJTだけで対応しようとすると、教える側と新人の双方に負担がかかります。
短期間で効果的な研修をするには、まずはoff-jtで商品知識やオペレーション知識を習得してもらい、一定の知識を備えたうえでOJTに進むと即戦力としてのスキルも得られます。
逆に、まずOJTで現場稼働をしてからいくつかの疑問を整理し、そのあとoff-jtを実施する進め方も効果的かもしれません。
OJTを効果的におこなうには、先輩社員や管理者のマネジメントスキル向上も必要です。
OJTは「マネジメント側の人材育成」にも効果を発揮します。
マネジメントスキルの向上は現場で業務をやりながら習得することも可能ですが、短期間でノウハウを習得したいならoff-jtが効果的です。
ちなみに、さきほどご紹介した厚生労働省の令和2年度「能力開発基本調査」では、実際におこなわれたoff-jtの研修として以下の内容が報告されています。
<厚生労働省の令和2年度「能力開発基本調査」より|実施したoff-jtの内容>
・新規採用者など初任層を対象とする研修…全体の76.2%
・あらたに中堅社員となった者を対象とする研修…全体の48.0%
・マネジメント(管理監督能力を高める内容)…全体の45.3%
・あらたに管理職となった者を対象とする研修…全体の44.9%
上記の報告を見ると、実際のoff-jtは新人層だけではなく、マネジメント層への育成に活用されていることがよくわかります。
マネジメント層を集めておこなうoff-jtでは、部下マネジメントや組織運営に必要な事例をケーススタディで学んだり、グループワークを通じて他者からの気づきをもらったりするプログラムが一般的です。
ビジネスの現場で注目されている、off-jtでもOJTでもない「OJD」についても触れておきましょう。
OJDとは (On the Job Development) の略で、直訳すると 「職場内脳力開発」 となります。OJDも職場内でのトレーニングですが、OJTとOJDとでは育成期間が異なります。
OJTが一般的に1ヶ月以内で終了するのに対しOJDは1年以上、ときには数年かかる点が特徴的です。
OJDでは、おもにマネジメント層やリーダーとしての活躍が期待される社員に対し、経営戦略から逆算した育成がおこなわれます。
具体的にいうと、企業の経営戦略をもとにマネジメント層に求められる知識や組織運営のスキルを明確にし、本人が希望するキャリアアップと照らし合わせながら長期にわたって指導していきます。
OJDを推進するのは所属部署の管理職以上で、部長クラス以上の役職が担当するケースもあります。 OJDでは具体的な研修プログラムなどは用意されず、日常の業務で発生する課題を通じて上司が部下に直接的に指導したり、1on1面談で本人に気づきを得てもらうやり方が一般的です。
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ここで、OJTの目的とメリットデメリットを整理しておきましょう。
OJTの効果的な進め方を覚えるうえで、目標や目的を明確にしておくことはとても重要です。目標や目的があやふやだと 「OJTを実施することだけに満足」 してしまい、目指すべき効果が薄れてしまう場合もあります。
「OJTの目的は?」と聞かれると、ほとんどの人は「新人育成」と答えるでしょう。
たしかに新人育成は大切な目的のひとつですが、新人育成はあくまでもOJTが目指すべき目標の通過点に過ぎません。
OJTで達成すべき目標は、おもに以下の3点です。
① 実務能力を身に着けることによる組織力強化
② 育成担当者(メンター)の人材育成
③ 離職率の低減と採用コストの削減
OJTのひとつ目の目的は「実務スキルを習得することによる組織力の強化」です。
企業として成長していくためには、個人のパフォーマンス向上はさることながら、組織力の強化が求められます。
たとえば、営業部署であれば一部のトップ営業だけが出す成績に頼っているようでは、成長できる組織とはいえません。新しく配属された新人を含むボトム層が一定の成果をだせるようになってこそ、優秀な組織といえます。
また、スキルの習得にとどまることなく全員が目指すべき方向性にベクトルをあわせることも、組織力強化では重要なポイントです。
個々がバラバラの方向に向かって仕事をしていていると成果は出ませんし、コンプライアンス違反やレピュテーションリスクなどが発生する原因にもなります。
OJTでは、実務に必要な能力を教えるのも大切ですが、仕事に対する考え方や会社が目指すべきビジョンの意識づけが大切なポイントになります。
OJTのふたつ目の目的は、研修講師の役目を担う先輩社員や育成担当者の人材育成です。
入社後一定の経験を積んだ先輩社員に育成担当を経験させることで、以下のような効果が得られます。
・OJTにより先輩社員自らがアウトプットすることで業務スキルの更なる向上が期待できる
・人材マネジメントスキルが身につく
・新人からの意見を聞くことで、これまで気づけなかった課題を発見できる
OJTを成功させるには、さまざまな課題を乗り越える必要があります。場合によっては、向上心のない新人に苦労することもあるでしょう。
また、育成担当者のほとんどは自分の業務をこなしながら新人育成をする必要があるため、さらなる業務効率化が求められます。手作業でやっていたことをITツールで自動化する必要もでてくるかもしれません。
業務効率化にともない、新しいツールの操作方法を覚えたり、業務の外注化を上司に提案したりすることで経営に関わる考え方も身に着けられます。OJTに明確な目標や目的を持たせて実施すれば、新人層だけに限らずマネジメント側の人材育成にも役立ち、最終的には会社全体の戦力アップにもつながるのです。
OJTの目的の最後は、離職率の低減と採用コストの削減です。
企業が新しい人材を採用するためには、求人サイトへの広告掲載や人材紹介会社への手数料、そして人事部スタッフの人件費など多額の費用が発生します。OJTだけで離職率を減らすのは難しいかもしれませんが、手厚いOJTを実施することで、すくなくとも入社直後に発生するミスマッチは解消できるでしょう。
厚生労働省が実施した調査によると、仕事をやめた人の退職理由として以下の回答が報告されています。
・会社の経営方針に不満を感じた
・自分の希望する仕事ではなかった
・能力や実績が正当に評価されなかった
・事業や会社の将来に不安を感じたから
上記の退職理由は、新人層に会社のビジョンがうまく伝わっていなかったり、手厚い研修がおこなわれなかったこと も原因かもしれません。OJTで明確な目標をさだめ、育成担当者が夢を語りながら丁寧に研修すれば離職率低下にもつながります。
また、厚生労働省が実施した雇用動向調査の結果によると、若年層ほど離職率が高い傾向があることもわかります。
<年齢階級別離職率※男性>
一方で社会的経験を積んだ30歳以上になると、20歳と比較して離職率は三分の一以下に下がります。30代を超えると家庭を持つ社員も増えるため簡単に離職しない傾向があるのかもしれませんが、データを見る限り、若年層に対しては離職を防ぐための手厚い研修は必要といえそうです。
つぎにOJTのメリットについても整理しておきましょう。
OJTには新人社員が業務に精通できるといったメリットや、教える側の人材育成といったメリットがあることはさきほどもお伝えしたとおりです。
たしかに上記のようなメリットもありますが、OJTを成功させることで得られる最大のメリットは 「企業の業績向上」 です。
新人層が研修を終えて現場で即戦力になれば、当然ながら売上実績も増えるでしょう。
また、先輩社員が研修を終えて本来の業務に集中できれば、OJTをしている期間より成績はあがるかもしれません。
OJTには見えない費用対効果もあります。
たとえば、慣れない新人社員が業務中にミスをしてしまい損害が発生すると、トラブル対応のための時間とコストが発生します。また一般顧客を相手にする業態で研修を受けていない新人が問題を起こすと、企業のブランディングにも影響を及ぼすかもしれません。
十分な研修を受けていない新人が起こす問題を解決するには想像以上の時間とコストがかかります。
OJTにはコスト削減の効果があり、結果として企業の利益向上にも寄与するのです。
OJTには数々のメリットがある一方で、注意したいデメリットもあります。
OJTで起こりえる2つのデメリットについても簡単に触れておきたいと思います。
OJTは通常業務のなかでおこなわれるため、当然ながらOJTを担当する社員の通常業務の逼迫が発生します。
育成担当者の残業が増えたり、先輩社員自身がOJTで悩みを抱えることも多く、メンタル面で問題を抱えるケースも少なくありません。最悪のケースでは育成担当者が研修できなくなり、新人社員が放置されるリスクも発生します。
OJTで発生する通常業務の遅延を防ぎ、メンタル面のフォローをしていくには組織全体でフォローする体制づくりが重要です。
育成担当(トレーナー)によって育成成果が変わってしまうといった問題も起こりえます。
OJTに必要なマニュアルが整備されていなかったり研修の目標が曖昧だと、どうしても育成担当者の属人的なスキルに頼りがちになってしまいます。
育成担当者によってOJTに積極的な社員もいれば、否定的な意見を持つ社員もいるでしょう。 教えるスキルが属人化してしまうと、組織全体の戦力アップに支障をきたしてしまうかもしれません。
OJTで一定の効果を得るには、目標通り育成ができているか管理者が確認し、育成担当者に対しても定期的にフィードバックしていくことが大切です。
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OJTを効果的に進めるためには明確な目標設定と定期的なフィードバックがとても重要です。 育成担当者が「やらされ感」でOJTを担当するのではなく、以下の4つのポイントに留意した進め方を心がけましょう。
育成担当者を管理するマネジメント層は、OJTを担当する社員の目標設定や業績評価に、以下の項目を入れると効果的です。
<OJTを効果的に進めるためのポイント>
① 適切なゴールを設定する
② 育成担当者による実践指導
③ 反復練習とアウトプット
④ 適切なフィードバック
定量的に成果を測れない業種の場合は難しいかもしれませんが、OJTの終了時点での「あるべき姿」を明確にする必要があります。
コンビニの新人アルバイトなら「レジの操作が一人でできる」「公共料金の支払いやイレギュラー対応もできるようになる」といった目標が設定できるでしょう。
営業担当者であれば、「必要な商品知識が備わっている」「営業トークが習得できている」「サポートなしで簡単な顧客対応ができる」などがあるべき姿です。
売上目標や顧客対応件数など、定量的な成果が見えやすい業種なら明確な数値目標をたてるのもいいでしょう。
目指すべきゴールが決まったら、研修を担当する社員による実践指導が重要なポイントになってきます。
「見て盗んで覚えろ」などと、昔ながらのやり方で育成する方法はオススメできません。
教える方の社員が自分で実践し指導することで、これまで曖昧だった知識を再習得できるきっかけにもなります。また教えるスキルも身につき、将来マネジメント層として活躍するための気づきも得られるでしょう。
実践指導のつぎは、実際に新人社員に反復練習とアウトプットをさせてみましょう。
off-jtやOJTで育成担当者からの話しを聞いただけでは、なかなかスキルは身につかないものです。新人の営業担当であれば、ロールプレイングを繰り返したあと実際に営業先にアポイントをとったり、先輩社員同行のもと実際の現場でセールス活動をしたりするのもひとつの方法です。
現場でのアウトプットが終わったら、また社内に戻ってきて改善点を整理しながら反復練習をさせるとより効果的です。
どれだけ綿密な目標をたててOJTを実施しても、新人に的確なフィードバックがおこなわれないと成長は見込めません。
育成担当者は、OJTを受けた新人に対し 「どこが良かったのか?」「どこに改善点があるのか?」 を明確に伝える必要があります。
また、結果だけを伝えるのではなく、努力したプロセスも評価することが大切です。
フィードバックが終わったら答えを言うのではなく、「今後どのようにすべきか?」を自分自身で考えさせるようにしましょう。
能動的な意識を醸成することで、さらなる成長が期待できます。
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優秀なメンターとして成果を出すには、以下3つのポイントを抑えておく必要があります。
①計画性を持たせる
②社内調整力を身につけてもらう
③若手層の考え方や多様性への理解
OJTのメンターを管理するマネジメント層は、新人育成よりも先に、上記のポイントをおさえつつ「メンターの育成」を優先させるべきかもしれません。
計画性を持たずにOJTを開始してしまうと、結局は行き当たりばったりの研修で終わってしまいます。
メンターを任命した際には、まずはメンター自身で育成計画を作成するように指導しましょう。ただし、「育成計画を作るように」と指示しただけでは、メンター自身も困ってしまいます。
マネジメント層が期待するゴールを共有したあとで、「〇〇の目標を達成するための計画を考える」ようにと、具体的に指示すると効果的です。
育成計画を考える際には、あまり大きな目標をつくると挫折してしまうことがあります。1ヶ月間のOJT期間があるなら、ゴールから逆算して“”1週間、1日単位でできること“”から、細かな目標を設定するといいでしょう。
また、メンター自身が作成した育成計画をマネジメント層が確認することも重要です。メンター任せにすることなく、組織全体でフォローする体制づくりがOJT成功の秘訣です。
効果的にOJTを進めるには、他部署との調整力も必要です。
簡単な研修内容ならメンター自身で解決できるかもしれませんが、数名の新人を抱えたり定期的にOJTを実施したりする場合は、人事部や総務部に場所や研修機材の調整を依頼する必要も出てきます。
新人に意識づけをする場合は、メンター自身が話すよりも経営層からの講和をしてもらうほうが効果的です。経営層にOJTの協力を申し出たりアドバイスを求めたりする場合も、社内調整力は必要です。
OJTを通じて得た調整力は、今後メンター自身が昇進していくなかでもかならず役に立ちます。上司は、「メンター自身がOJTは自分のためにもなる」意識を持つよう、指導していくといいでしょう。
さきほども触れたように、離職率が高くOJTによりきめ細かな指導が必要な層は「20代」です。
一方、20代は30代以上にはない考え方を持つ傾向もあるため、メンターには多様性を受け入れるスキルも求められます。育成をする側からすると「給料やインセンティブをアップしたらやる気になってくれるだろう」と思うかもしれませんが、20代の若者のなかにはお金に興味がない社員も大勢います。
担当した新人スタッフの考え方や将来のキャリアビジョンに耳を傾けて、「どうやればモチベーションが上がるのか?」 を考えるスキルも必要です。
「耳を傾ける」という意味では、職場内で心理的安全性が保たれるようなマネジメント力も大切になってきます。自由に意見が言い合えるような面談機会をつくったり、コミュニケーションの場を提供したりするのもマネジメント側の大切な役割です。
育成担当者に任せっきりにするOJTだと、成果が出ないばかりか離職率が上がる原因にもなります。 会社全体の戦力アップのために効果的なOJTをおこなうためには、組織全体のサポートが必要です。
OJTをはじめる際には、育成担当者の選定をおこない、通常抱えている業務量を調整する必要があります。新人育成と通常業務の両方をこなす必要があるため、業務を減らすなどの配慮が必要です。
担当者を決める場合は、単にスキルが高い社員を育成担当者に抜擢するのではなく、育成担当者自身の将来性に注目して人選すると効果的です。育成担当者自身がOJTを通じて「自分も成長したい」と思ってもらうのが理想です。
育成担当者が決まったら、管理者が面談をして「レディネスの形成」をおこなうようにしましょう。レディネスとは心理学の概念で、OJTにおけるレディネスは育成に対する準備が整っている状態をあらわします。 担当者を人選した管理者は、「育成担当者に任命した理由」や「期待する効果」などについて明確に伝えることが求められます。
育成担当者が決まったら、育成成果について人事評価に反映できないか人事責任者と調整するといいでしょう。通常業務に加えてOJTを担当してもらうわけですから、OJTで成果が出た場合は正当な評価を与えるべきです。
育成成果が正当に評価されることで担当者自身のモチベーションアップにつながり、最終的には新人育成にも効果が出ます。
また、育成担当としての業務を見て成長が見られたなら、今後のジョブローテーションに加味することも考えましょう。新人育成で成果が出た育成担当者を人事部に配置するなどの異動案も効果的です。
新人育成では、どうしても新人のフォローに注力しがちですが、メンターのフォローも大切です。
育成担当を任命した側の管理者は、定期的に担当者との面談をしたり定量的なフィードバックをしたりして、適切なサポートをおこなうようにしましょう。
新人育成で過度なストレスを抱えてしまうことがないよう、問題のある新人スタッフには管理者が直接指導するなど任せきりにしない仕組みづくりも重要です。
最後に、OJTを実施するうえでのチェックリストもご紹介します。
下記に「OJT実施前・実施中・実施後」に、それぞれチェックすべき項目をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
業種や業態によってチェックリストの内容を変えるのもいいでしょう。
OJTを通じて新人を育成するには、育成担当者の手間がかかりますし、通常業務に支障をきたすかもしれません。
綿密な計画をたててOJTを実行していけば確実に成果がでますし、育成する側の人材育成にも役立ちます。
OJTを単なる新人育成ととらえずに、会社全体の戦力アップや将来のマネジメント層を育成する目的で実施するなど、大きな目標をもって取り組むといいでしょう。
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