中間管理職とは?求められる5つの役割と能力【ストレス対策も伝授】

部下チームストレスマネジメント

「中間管理職に求められる役割を果たせているのか?」
「自分に求められる能力とは?」

このように悩んでいる中間管理職の方も多いのではないでしょうか?
部門方針の推進や部下の育成など、中間管理職が果たす役割と責任は、組織において重要です。 ゼネレーションギャップが大きい現代では、上司と部下の関係を円滑にし、成果に導く中間管理職の存在は欠かせないためです。

組織を成功に導くためには、中間管理職に求められる役割を理解し、組織のコンディション把握が必要でしょう。この記事では中間管理職に求められる役割や能力について解説します。また中間管理職がさらされやすいストレスや対策についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

本記事のサマリー

  • 中間管理職の定義は、さらに上位の管理職の下に配置された管理職のことで「ミドルマネージャー」と呼ばれている
  • 中間管理職に求められる役割は5つ。(①上長の補佐②上司と部下のパイプ役③部下の育成と指導④プレイングマネージャー⑤他部門との調整役)
  • 中間管理職に求められる能力は5つ。(①コミュニケーション力②リーダーシップ力③人材育成力④課題解決力⑤部門方針の推進力)
  • 中間管理職がさらされるストレスは、上司と部下の板挟みになったり業務量が多くなったりすること。
  • 中間管理職のストレスに対する対策は、自分一人ですべて解決しようと思わず、部下にマネジメント経験を積ませ「もう一人の自分」をつくること。
  • 中間管理職は組織のコンディション把握の大切さに気づき、メンバーが働きやすい環境をつくることが重要。

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中間管理職の定義とは

中間管理職とは、さらに上位の管理職のもとに配属された管理者「ミドルマネージャー」のことで、一般的な組織においては課長や係長に該当します。対して部長は、役員など経営陣の指揮下にある現場のトップにあたり、「ゼネラルマネージャー」と呼ばれます。

管理職の種類を整理すると、以下の通りです。

●部長・ディレクター
現場のトップで複数の部門を管理する。経営に関する発言権を持つ場合もある。

●課長・マネージャー
部長の配下で複数のチームを管理する。部門についての発言権を持つ場合もある。

●係長・チームリーダー
一番小さな単位を管理する。一般的には実務の責任を持つ。

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中間管理職に求められる5つの役割

組織の成功へ重要な役割が求められる中間管理職ですが、具体的にはどのような役割が求められるのでしょうか?中間管理職に求められる5つの役割について、見ていきます。

上長の補佐

中間管理職1つめの役割は「上長の補佐」で、目線を合わせて上長がして欲しいことを理解しながら、意思決定に必要な情報を上長に提供することです。

上長は、社内において複数のチームをマネジメントしています。直接または間接的にマネジメントすることが多い上長は、各チームを細かくみることができません。上長が細かくマネジメントできない部分を補って、中間管理職が代わりに以下を執行します。
●進捗管理や問題解決、部下育成や勤怠管理などを上長と分担、代行する
●経営に参画しなくても、経営計画や上長の意向を理解し、関連する情報を提供する

ここで注意しなければいけないことが、越権行為はしないことです。顧客からの重大なクレームを経営陣に直接報告したり、部下が退職したい意向を人事部へ直接報告したりするのは、上長を越権した行為にあたります。あくまで課内で発生する重大事項は、直属の上長にすべて報告し、判断を仰がなければいけません。

上司と部下のパイプ役

中間管理職2つめの役割が「上司と部下のパイプ役」になることで、上司と部下間の連携を深め部門内のコミュニケーションを潤滑にします。中間管理職は、上司と部下双方の気持ちがわかるポジションにいるからです。

上司と部下のパイプ役として理想なのが、「連結ピンモデル」です。1961年にアメリカの心理学者レンシス・リッカードが「経営の行動科学」で提唱した組織とリーダーシップの概念です。コミュニケーションを円滑にする潤滑油の役割を果たすための能力を「連結ピン」と呼び、マネジメント層には連結ピンの機能が求められると説いたのです。

連結ピンモデルでは、上長の部下であると同時にメンバーの上司である中間管理職は、上長の決定に影響を持つほどの力を持たなければいけません。時には、上長に対して進言する必要もあります。つまり、現場の声を上長に反映させられない中間管理職は、部下から認められないということです。

中間管理職はただの伝達係りではなく、上司と部下間の潤滑油としての調整能力が必要になるのです。

部下の育成と指導

中間管理職3つめの役割が「部下の育成と指導」で、人材育成はより良い組織に導くための、重要なポイントになります。環境の変化が速く競争が激しい現代では、人材育成で競合と差別化を図るのが最善だと考えられるからです。

部下を指導するためには、部下と良好な関係を築くことが大切です。信頼関係を構築するのは、以下の3つを心がけると良いでしょう。
●部下の関心事に興味を持つ
●部下の「できていること」を認めてあげる
●趣味や好きなことなど、部下との共通点を見つける

また部下育成は、マトリックス表などを用いて部下の特徴を把握し、部下の性格や考え方に合った指導が効果的です。例えば「やる気があるけど能力が低い部下」へは、上司のやり方をそのまま実行させるのも有効でしょう。反対に「能力は高いけどやる気のない部下」へは、まず部下の意見や主張を聞き入れ、部下がやりたいようにさせるのも、一つの方法です。

いずれにせよ部下に任せるだけで終わらず、部下に寄り添う優しさを持ち関わることが育成と指導において大切になります。

プレイングマネージャー

中間管理職4つめの役割が、「プレイングマネージャー」として活躍することです。プレイングマネージャーとは、自分で現場の仕事をしながら、マネジメントもこなす人のことです。

本来来会社組織では規模の拡大にともない、必要な機能を専門化させる必要があります。大企業は資源が豊富なことから分業制が進み、課長クラスはマネジメントに専念することも多いでしょう。しかし中小企業の場合、人的余裕がなく多能工を求められることから、課長クラスもマネジメントと並行して現場の実務をするケースが多く見受けられます。

限られた資源で実務と管理を同時に行うプレイングマネージャーは、効率的にチームを動かしていかなければいけません。そのための環境づくりとして、以下3つがポイントになります。

1.ムダな労力を省くよう、業務を習慣化させる
2.価値観を伝える場を頻繁に設け、チーム内のベクトルを合わせる
3.全メンバーに役割を与え、任務を遂行させる

中間管理職の役割であるプレイングマネージャーの任務遂行は、いかに周囲を巻き込みながら進めていけるかが大切なのです。

他部門との調整役

中間管理職5つめの役割は「他部門との調整役」で、部門同士のムダな衝突を避けスムーズに仕事ができるように努めます。部門間の調整は、現場に精通しながらも会社全体の方針も理解している中間管理職が最適だと言えるでしょう。

他部門との調整で大切なことは、共通の目的や利益を念頭に置くことです。例えば新商品開発の場合、経理部門はキャッシュフローの観点から、開発費はおさえたいと考えます。しかし当の開発部門は消費者ニーズに応えるため、惜しみない資金を商品開発に投入したいものです。

その場合、会社の最終目標である「利益を残す」ことを確認し合ったうえで、逆算思考でお互いどこまで譲歩できるかの調整が必要になります。会社全体に共通する目的と利益を理解している、中間管理職ならではの役割だと言えるでしょう。

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中間管理職に求められる5つの能力

これまで見てきた、中間管理職の役割を全うするために必要な能力とはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、中間管理職に求められる5つの能力について見ていきましょう。

コミュニケーション力

求められる1つめの能力が、「コミュニケーション力」です。経営陣や上司の意向を理解したうえで部下に適切に伝えるためには、部下と円滑にコミュニケーションを図る能力が問われます。なぜなら中間管理職の存在価値は、部下の能力を把握し成長させ、円滑に業務を遂行できるように導くことだからです。

部下とコミュニケーションを円滑に図るコツは、以下の通りです。
●部下を信頼しお互いに好意を持つことで、気軽に相談できるような信頼関係を築く
●上司と部下の間でコミュニケーションを通訳する(部下が理解していない情報はないかの確認や、部下の考えを上司に伝える)
●基本的には部下に対して聞き役に回り、必要に応じてポイントをアドバイスする

反対に、以下のことはコミュニケーションの妨げになるので、注意が必要です。
●直接自分がやった方が早いと考え、部下の仕事を取ってしまう
●成長を促そうとしてミスを叱責する

部下との良好なコミュニケーションによって成長を自覚させることは、部下が働くことへの満足度を高めることにつながります。部下の離職を防止するためにも、コミュニケーション力は中管理職に必要な能力なのです。

リーダーシップ力

求められる2つめの能力が、「リーダーシップ力」です。部門方針を現場に落とし込み実行させることが中間管理職の役割ですが、リーダーシップが取れない人の言うことは、誰も耳をかさないでしょう。人を魅了し引っ張っていく力のない人を、部下は信頼しないからです。

リーダーシップは持って生まれた資質による部分もありますが、意識することでだれもが身につけられます。では、リーダーシップ力はどのように身につけることができるのでしょうか?

ハード面は、競争戦略論や組織論、会計や財務に精通するなどの知識です。リーダーシップには組織を率いる能力である「統率力」が必要で、ビジネス全般に関する最低限の知識は備えておかなければいけないからです。これらの知識は、努力して勉強すれば得られるでしょう。

一方ソフト面は、知性や合理的思考、洞察力やストレス耐性などです。知性は原因の本質を見極める時に欠かせませんし、結果が求められるビジネスの現場では、合理的思考が求められます。 また世の中には多様な人がいて、その人の本質を見極めるには洞察力が必要ですし、精神的な負荷に押しつぶされないメンタルの強さも欠かせない要素となります。これらのソフト面はすぐに身につけられるものではなく、現場で時間を掛けながら磨いていくしかありません。

人材育成力

求められる3つめの能力は、「人材育成力」です。グローバルな競争や少子高齢化、デジタル化進展などのビジネス環境で、競合社と差別化を図るには人材が重要になるからです。

変革の時代においては、変化に対応する経営の実現と同時に、個人の自律的成長と活躍が欠かせません。2019年3月に発表された経済産業省による「変革の時代における人材競争力強化のための9つの提言」では、以下の内容が提唱されました。

3つの原則
1.経営戦略実現の要素として、人材及び人材戦略を位置づける
2.個人の多様化・経営環境の不断な変化で、個人と企業がお互いを選び合い、高めあう関係を構築する
3.経営トップが率先してミッション・ビジョンの共有と実現を目指し、組織や企業文化の変革を進める

6つの施策
1.変革や人材育成を担う経営リーダー、ミドルリーダーの計画的育成・支援
2.経営に必要な多様な人材確保を可能とする、外部労働市場と連動した柔軟な報酬制度・キャリア機会の提供
3.個人の挑戦や成長を促し、強みを活かした企業価値の創出に貢献する企業文化や評価の構築
4.個人の自律的なキャリア開発や学びを後押しし、支援する機会の提供
5.個のニーズに応え、経営競争力強化を実行する人事部門の構築
6.経営トップ自ら、人材および人材戦略に関して積極的に発信し、従業員・労働市場・資本市場との対話を実施
【出典】経済産業省「変革の時代における人材競争力強化のための9つの提言~日本企業の経営競争力強化に向けて~」

つまり政府も、経営力競争の源泉は「人材」だと明言しているのです。そして企業内では、価値観が多様化する部下に対して、中間管理職の人材育成力に大きな期待が寄せられています。

課題解決力

求められる4つめの能力は、「課題解決力」です。課題解決能力は企業の存在価値とも言え、難易度の高い課題解決が中間管理職には求められるためです。

課題解決力とは、問題の本質を見極めて解決に向けたプランを立て実行する能力になります。課題解決力がある人には、以下の特徴が見られます。
●日頃から物事に対して「なぜ?」と疑問を持ち接している
●論理的思考で物事を体系的に考えている
●PDCAを素早く回す習慣を身につけている

特に中間管理職は、現場で日頃持ち上がる課題に対して、迅速かつ適切な対応が求められます。都度適切に対応しなければ、現場は回りません。

課題解決力を身につけると、「論理的思考」や「仮説思考」などが向上したり、予想外の出来事にも対応できたりするようになります。結果としてそのような中間管理職が率いるチームは、成果も上がっていきます。

部門方針の推進力

求められる能力の5つめは、「部門方針の推進力」です。会社の経営方針に沿って計画されるのが部門方針で、部門方針を現場に浸透させ推進させるのが管理職の重要任務になるからです。

上長が年度初めに立てた部門方針も、現場が実行に移さなければ絵に描いた餅になってしまいます。実際ビジネスの現場では、日々の業務に没頭してしまい、部門方針が形骸化されることも少なくありません。

例えば、「本年度は新規開拓に特化する」といった部門方針を掲げていても、現場は既存顧客への対応に追われ、中々新規開拓に着手できません。これは中間管理職が、方針実行への具体的な計画と指示を示せていないことが原因とも言えます。

●新規開拓プロセスを分解し、プロセスごとにKPIを設定して進捗管理する
●新規開拓に取り組めない要因を阻害し、メンバーが活動しやすい環境を整備する

上記のように中間管理職は、現場の先頭に立って部門方針実行のための旗振り役にならなければいけません。上長が掲げた方針の目的や意味を咀嚼して、メンバーに理解してもらい納得したうえで行動させる力が、中間管理職には求められるのです。

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中間管理職がさらされる2つのストレスと対策

これまで見てきた通り、企業の中核の役割を担う中間管理職は激務になりがちで、ストレスに悩まされることも多いでしょう。自身の立場を考慮してつい無理してしまいがちになり、結果として慢性疲労や睡眠障害などにつながりかねません。

企業の中核の役割を担う中間管理職は、ストレスに悩まされることも多いでしょう。自身の立場を考慮してつい無理してしまいがちになり、結果として慢性疲労や睡眠障害などにつながりかねません。

この章では、中間管理職がさらされる2つのストレスと、それらの対策について見ていきます。

上司と部下の板挟みになる

中間管理職のストレスの1つめは、「上司と部下の板挟みになること」です。上司からは無理を言われたり部下からは文句を言われたりと、気が休まることがありません。

板挟みになりがちな人には、以下のような特徴が見られます。
●人に頼られると断れない
●何ごとに対しても一生懸命取り組み誠実である
●必要以上に相手のことを考えてしまう

上司と部下の板挟みにならないためには、自分一人ですべて解決しようと思わないことです。上司から任されたことはチーム全員で取り組んだり、部下が問題提起してきたことは全員で考えたり、周囲に分散させる意識を持つことがポイントです。

責任感から「何でも自分が」という考えを捨て、「みんなで」チームを運営する意識に変えていくといいでしょう。

業務量が多い

中間管理職のストレスの2つめは、「業務量が多い」ことです。本来であれば戦略立案やメンバーの進捗管理などの「マネジメント」に集中したいのですが、「プレイング」の量を減らせずにやむを得ず続けているケースが少なくありません。

また、上司と部下をつなぐ役割として間に入り調整したり、部門間での利害関係を調整したりと、何かと手を取られがちです。特に人的資源が乏しい中小企業では、中間管理職の業務が多くなってしまうのは自然な流れでしょう。

対策としては中長期視点になりますが、中間管理職候補をつくることが挙げられます。中間管理職の「マメジメント」業務である戦略立案や進捗管理などを、あえて選抜したメンバーにさせてみるのです。ちょっとしたマネジメントの経験を積ませることで、「もう一人の自分」を作り上げます。

もう一人の自分を作り上げ現在のマネジメント業務を分担すれば、中間管理職の業務を減らすことが可能になります。

中間管理職が自分だけでチームをマネジメントすると、業務量が増えるばかりでなく、後進も育成できません。中間管理職の業務をあえて部下にさせることは、自身の業務量を減らすと同時に、有望な部下にマネジメントの面白さを味わってもらい、モチベーションを高め仕事に取り組んでくれることにもつながります。

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まとめ

今回の記事では、中間管理職について解説しました。環境の変化が激しい現在のビジネスシーンにおいて、中間管理職が果たす役割の重要性について、理解していただけたのではないでしょうか?

これらの役割を認識し必要な能力を備え実行するためには、組織のコンディションを正確に把握することが中間管理職に求められます。現場で日々業務に取り組む部下のモチベーションを高め、働きやすい環境を整備することがチームを成功に導く鍵になるからです。

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