人的資源とは?4つの特徴と有効活用する5つの方法を解説!

最終更新日 : 2023/01/27
タレントマネジメントワーク・エンゲージメント

昨今、企業の発展のために改めて注目が集まっているのが「人的資源」です。人的資源とは、企業が活用できるリソースのうち「人」に関連するものを指します。

本記事ではそもそも人的資源とは何かを解説し、その上で他の経営資源との比較もしながら人的資源の特徴を紹介します。また、人的資源のマネジメントを成功させる視点や人的資本に関する情報開示についても確認していきます。

これからを理解した上で、人的資源を有効活用する5つの方法を参考に、経営目標を実現するための人的資源活用の参考にしてみてください。企業の経済活動にとって人的資源は非常に重要です。人的資源をどのように活かせるかで企業の価値は大きく変わります

本記事のサマリー

  • 人的資源とは、人に紐付いているスキル・能力によってもたらされる経済的価値。
  • 組織における人的資源の4つの特徴(①人的資源は成長させられる、②人的資源は他の経営資源を活用する、③行動の自由と自律性がある、④革新的な管理手法が存在しない)
  • 人的資源のマネジメントにおいては、企業戦略と管理の連携を深め、経営目標を実現することが重要
  • 人事労務管理と人的資源管理には5つの違いがある
  • 人的資源に関する情報管理により、企業の成長力の向上と企業に対する信頼性の向上が期待できる
  • 人的資源を有効活用する5つの方法(①雇用制度の見直し、②社内教育制度の充実、③人事評価制度の改善、④従業員に適したポジションを提供、⑤適切な報酬の設定)

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人的資源とは

そもそも人的資源とは、人に紐付いているスキル・能力によってもたらされる経済的価値を指します。経済活動は人なしに成り立ちません。こうした点から、経済活動において人的資源は非常に重要です。

経済的な観点からみると、人にはスキルや能力が紐付いています。また人的資源には従業員、管理職、経営者があります。さらに広く考えると、外注のフリーランスなども人的資源と考えられるでしょう。

その他の経営資源

「人」以外の経営資源には次の3つがあります。

●モノ
●金
●情報

これらを合わせて4つのの経営資源と呼び、企業活動を構成する源泉となります。このうち「情報」はITが発達した1980年代から企業経営の資源として重要視されるようになりました。それまでは物的資源である「モノ」や「金」の重要性は認識されていたものの、「人」の重要性は昨今までそれほど重要視されていませんでした。

長い間、人は単なる労働力として捉えられていたのです。そのため人を成長させるような観点はあまりなく、代替可能な労働力として人を捉えていました。しかし1990年代の半ばから経営資源としての「人」の重要性に注目が集まるようになりました。現在は、経営資源の中で人こそが最も重要と捉える向きもあります。人に投資を行い、成長させることで企業の競争力を獲得していく姿勢が求められます

人的資本との違い

人的資源と混同しやすい用語に人的資本があります。どちらも人に注目した用語ですが、人的資源が人のスキルや能力を経済的な価値の側面から解するのに対して、人的資本では人を投資対象の資本として理解します。

人的資源は消費するものであるのに対して、人的資本は投資対象としてとらえることもできます。このように人的資源と人的資本は似た意味を持つので、混同に注意してください。

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組織における人的資源の4つの特徴

ここからは人的資源の4つの特徴を確認していきましょう。前述したモノ、金、情報と対比させながら資源としてみた人の特徴をイメージしてみてください。

人的資源は成長させられる

人的資源の1つ目の特徴は、成長させることができる点です。特に昨今は個々の人の持つ特性や能力に応じた人的資源の活用にも注目が集まっています。これらの特性を把握した上で、企業の目標を達成するために足りない部分を補い、強みを伸ばす形で成長させられるのが人的資源です。これに対して、モノ、金、情報は増やすことはできても成長させることはできません。

成長させられるという特徴は、人が企業の競争優位性を形成する要素として重要視されている大きな理由です。人はモノ、金、情報と比べて差別化もしやすいため企業および事業を同業他社と差別化する要素にもなります。

人的資源は他の経営資源を活用する

人的資源の2つ目の特徴は、モノ、金、情報といった他の経営資源を活用する主体となる点です。モノ、金、情報は自律性を持たないので、人がいてはじめて活用できる資源となります。

モノを作るのも人であり、金を使うのも人であり、情報を活用するのも人です。そして4つの経営資源を合わせて活用できるのも人だけです。激しく変化する市場環境の中で企業が事業を維持し、成長させていくためには柔軟性が必要であり、それは人という経営資源により達成されます。

行動の自由と自律性がある

人的資源の3つ目の特徴は、行動の自由と自律性を持つ点です。当然ですが、人は自らの意志に基づいて自律的な行動ができます。

人には感情があり、意志があります。それにより自由な発想と自由な行動が実現できる主体です。人の持つこうした可能性と潜在能力は、企業の経営目標を達成する上で重要な武器となります。

一方で後述する通り、人は自由と自律性を持つからこそ管理が難しいのも事実です。人の自由と自律性に基づく経済価値を最大限に発揮させつつ、マネジメントも行う体制が求められます。

革新的な管理手法が存在しない

人的資源の4つ目の特徴は革新的な管理手法が存在しない点です。これは3つ目の特徴で述べた通り、人には行動の自由と自律性があるためです。

モノ、金、情報に対する管理手法は時代とともに発達していますが、人に対する管理に大きな革新は起こっていないといえるでしょう。そのため人的資源を活用するためには、人をどのように管理するかが重要となります。ただし人的資源の特性を損なうような管理は避ける必要があります

従来は人を単なる労働力とみなして押さえつけるような管理が行われる場合もありましたが、これからの時代に求められるのは従業員個々の特性を最大限に活かすようなマネジメントです。

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人的資源のマネジメント

先ほど人的資源に対する革新的な管理手法はないと述べました。そのため人的資源をどのように管理するかは長く議論されてきました。

ここでは人的資源のマネジメントについて確認していきましょう。ただし繰り返しになりますが、あくまで人を活かす管理の実現を心がけてください。

人的資源マネジメントの目指すところ

人的資源のマネジメントでは、人の特性を活かし、経営目標の実現を目指します。人的資源のマネジメントを細分化すると次の通りです。

●組織の構造
●役職の構造
●採用
●教育
●評価
●報酬
●配置転換
●昇進と昇格

これらを有機的に関連付けて、経営目標の実現を目指すためにマネジメントを実施します。このように人的資源のマネジメントは非常に複雑で、また唯一無二の管理手法は存在しません。そのためあなたの会社に合ったマネジメントのあり方を考えながら、施策を試していくのがおすすめです。

人的資源マネジメントの3つのモデル

人的資源マネジメントの考え方はアメリカで生まれ、世界に広がっていきました。そして現在は次の3つのモデルがあります。

●ミシガンモデル
●ハーバードモデル
●高業績HRM

以下でそれぞれについて内容を確認していきましょう。

ミシガンモデル

ミシガンモデルは1980年代にミシガン大学で行われた研究をベースとした人的資源マネジメントのモデルであり、次の4つの機能をマネジメントに落とし込みます。

●採用と選抜
●人材評価
●人材開発
●報酬

このようにミシガンモデルでは、従業員個人のみにフォーカスしたマネジメントのみならず、組織の制度設計のふまえたマネジメントを目指していきます。

ハーバードモデル

こちらは1980年代にハーバード大学で行われた研究をベースとしたモデルであり、次の4分野で人的資源マネジメントを構成します。

●社員の影響
●人的資源のフロー
●報酬システム
●職務システム

その上で、労働市場をはじめとした状況的要因やステークホルダーの利害も人的資源マネジメントに影響を及ぼすと考えます

ミシガンモデルと比較すると、領域が広く、社員の精神面にも焦点を合わせている点が特徴です。

AMO理論

AOM理論では頭文字の通り、人的資源マネジメントを次の3つの要素から構成されると考えます。

●Ability(能力)
●Motivation(モチベーション)
●Opportunity(機会)

人的資源マネジメントで上記3つの要素の向上を目指し、それによって市場における組織の優位性を高めるものです。

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人事労務管理と人的資源管理の違い

人的資源に対するマネジメントの理解を深めるためには、人事労務管理との違いを知るのも有意義です。上林憲雄の「人的資源管理論」によると、人事労務管理と人的資源管理には次の5つの違いがあります

●企業戦略と人事とのリンクの強化
●能動的・主体的な活動
●心理的契約の重視
●職場学習の重視
●集団全体よりも個々人の動機づけを考慮

このように人的資源管理は人事労務管理と比べて、企業戦略の中で、人の心理面に着目しながら能動的なマネジメントを実施する点が特徴です。また企業に対して教育訓練への十分な投資を促します。

人的資源管理では、人を企業の競争優位性を形成する要素と捉え、十分な学習により成長させていくべきであると考えます。
【引用】上林憲雄「人的資源管理論」

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人的資源に関する情報開示

人的資源の重要性に注目が集まるにつれて、人的資源に関する情報開示の重要性の指摘されるようになりました。

2022年6月7日に閣議決定された「骨太方針2022」の中では人に対する投資と分配の重要性が指摘され、また、人的資源を含む非財務情報の開示ルールを定める動きも始まっています。

こうした人的資源に関する情報開示には次の2つの効果が期待されています

●人的資源への投資の活性化と企業の成長力の向上
●企業に対する信頼性の向上

ここまで述べた通り、人は経営資源の中でも非常に重要です。その人に対しる投資を活性化させて、企業の成長力に繋げていくのです。また投資家に対して人的資源をはじめとした非財務情報について開示することで、企業に対する信頼性を向上させ、適切なフィードバックを促します。

人的資源を有効活用する5つの方法

記事の最後では、人的資源を有効活用する5つの方法を紹介します。人的資源を有効活用することで企業の競争力を高められるでしょう。5つの方法を参考に、あなたの企業に合った人的資源の活用方法をイメージしてみてください。

雇用制度の見直し

従来は一般的であった終身雇用制度も現在においては崩壊しつつあり、中途入社や中途退社を前提とした雇用制度の設計が必要です。また事業には正社員のみならず、アルバイト、パート、フリーランスといった様々な労働形態の人材が関係します。そのため多様な労働形態の人材が活躍できる設計が重要です。

このように多様な人材が参画できる雇用制度があると、企業は人材を集めやすくなり、事業の維持・拡大が期待できます。自社の事業に紐づく人材を具体的にイメージしながら自社に適した雇用制度について検討してみてください。

社内教育制度の充実

また前述の通り、人的資源は成長させることにより経済価値を高められます。従業員の自学自習に成長を期待する一方で、企業としては従業員の成長を促す社内教育制度を充実させていきましょう

教育制度としては、従業員と上司で行う1on1や、一定の従業員を対象とした社内研修・技能訓練などがあります。また従業員一人ひとりのキャリアを中長期的にサポートするプランニングにも意義があるでしょう。

また会社として従業員に求めるものを明確に伝える必要もあります。ときに従業員自身が望む自らの方向性と会社として従業員に求めるものが異なる場合があります。その際は従業員のモチベーション低下を避けることに気をつけながら、双方の認識をすり合わせていきましょう。

人事評価制度の改善

先ほど多少な人材が参画できる雇用制度の重要性を紹介しましたが、多様性が求められるのは人事評価制度も同じです。日本では、これまで年功序列が一般的でしたが、今後は柔軟に成果主義を取り入れた強化制度を構築する必要があります

現代に適した人事評価制度を構築するためには次のポイントに注意しましょう。

●従業員のモチベーションアップ
●公平な評価

特に評価が属人的になる制度は従業員の反感を買う恐れがあります。そのため客観的な数字や事実により公平に従業員を評価できる制度の構築を目指しましょう

従業員に適したポジションを提供

また従業員それぞれの特性に適したポジションを提供するのも重要です。従業員に適したポジションを提供できると、従業員のモチベーションも高まり、また人的資源活用の最適化も実現できます。

従業員の特性を把握するためには、従業員と日頃からコミュニケーションをとることが重要です。従業員自身が望むポジションにも配慮しつつ、会社として従業員が能力を最大限に発揮できるポジションを検討していきましょう。

適切な報酬の設定

人的資源を有効活用する方法の最後は報酬制度です。年功序列だけに因われない柔軟な評価制度を設計し、その上で評価に合わせた適切な報酬を提供します。

報酬についても注意すべきは、公平性です。不公平な報酬制度があると従業員のモチベーションは低下します。従業員が安心と期待を得られるような制度を目指してみてください。

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まとめ

今回の記事では、人的資源について様々な点を確認してきました。人的資源は、人のスキルや能力に紐づく経済的価値を指し、モノ、金、情報と比べても重要度の高い経営資源といえます

人的資源の特徴は、そもそも人がモノ、金、情報を活用する主体である点と、成長させられる唯一の資源である点です。そのため会社による成長支援により人的資源の価値を高められるのです。

ただし人は自由と自律性を有するため、人的資源のマネジメントに唯一無二の答えはありません。人的資源のマネジメントに際しては、自社の経営目標を念頭におきながら自社に紐づく人のモチベーションと生産性を高める点に注意していきましょう

また人的資源を有効活用するためには、多様な人材が働きやすい雇用制度を構築し、公平に評価と報酬設定をしていく必要があります。また従業員に合わせてポジションについて検討し、従業員が成長できる機会を積極的に作っていきましょう。

人的資源は事業の維持と企業の成長にとって欠かすことのできないものです。人的資源に差により企業が市場における優位性を獲得することもできるため、今回の記事を参考にあなたの会社に適した人的資源のあり方を模索していきましょう

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