カウンセリングとは?受けるべき人、効果などを解説

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カウンセリングとは?受けるべき人、効果などを解説

カウンセリングという言葉は「相談する」「助言する」という広義の意味を持ちます。狭義としては医師や心理カウンセラーが心に悩みを抱える相談者の話を聞き、専門家としての視点で悩み・問題を解消するための援助を行う心理療法・精神療法としての意味もあります。 この記事では、カウンセリングではどのようなことを行うのか?などの概要や、カウンセリングを受けるべき人、料金と保険適用有無などの“カウンセリングの基本”を解説。加えて、厚生労働省が推進している企業のメンタルヘルス対策の内容や進め方も説明します。

本記事のサマリー

  • カウンセリングとは、相談者の抱える悩み・問題に対し、専門的な知識を持つ医師や心理カウンセラーが指導・援助を行う心理療法・精神療法のひとつである
  • 仕事に関することで、強いストレスとなっていると感じる労働者の割合は約6割。精神障がいの労災支給決定件数の増加影響もあり、国も企業に向けメンタルヘルス対策の義務化・推進を進めている
  • カウンセリングで話す内容にルールはなく、自分の話を聞いてもらい感情を吐き出すことでストレス緩和につながることもある
  • 特定の精神障がいの治療目的以外のカウンセリングは保険適用外となるため、カウンセリングを受けるためには一定の経済的な負担は見越しておく必要がある
  • メンタルヘルス不調を未然に防ぐ、早期発見のための取組みとして、カウンセリングの他、AIによるリアルタイム分析によって従業員の不調を検知する方法もある

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目次

カウンセリングとは

カウンセリングとは、相談者の抱える悩み・問題に対し、専門的な知識を持つ医師や心理カウンセラーが指導や援助をする、主に話し合いを中心とした心理療法・精神療法のひとつです。

広辞苑「心理学辞典」によると、カウンセリングの役割には、パーソナリティの再構築に焦点を当てた“治療”としての側面だけでなく、パーソナリティの成長と統一に焦点を当てた“予防”としてのサポートも含まれます。また、文部科学省の「在外教育施設安全対策資料【心のケア編】」では、『カウンセリングは、人間の心理や発達の理論に基づく対人援助活動であり、個人の成長を促進し対人関係の改善や社会的適応性を向上させる』と記載されています。

カウンセリングは、精神障がいのある人の治療だけではなく、こころの健康のための予防対策としても意味のあるものであると考えて良いでしょう。

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カウンセリングを受けるとよい人やタイミングは?

労働者の多くは仕事においてストレスを感じている

厚生労働省「平成30年労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況」によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄があると答えた労働者の割合は58.0%にも上ります。

それでは、仕事をする中でどのような問題に強いストレスを感じるのでしょうか?具体的な内容について割合の多い順に見ていきましょう。

■強いストレスとなっていると感じる事柄の内容(複数回答)
仕事の質・量 59.4%
仕事の失敗、責任の発生等 34.0%
対人関係(セクハラ・パワハラを含む) 31.3%
役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等) 22.9%
会社の将来性 22.2%
雇用の安定性 13.9%
顧客、取引先等からのクレーム 13.1%
事故や災害の体験 3.0%
不明 0.1%
※ストレス等を感じる労働者を100としたときの割合(%)
【出典】厚生労働省「平成30年労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況」/第 18 表 仕事や職業生活に関する強いストレスの有無及び内容別労働者割合をもとに筆者作成

割合の高い5つを見ると「仕事の質・量によるストレス」「仕事の失敗、責任の発生等によるストレス」「対人関係によるストレス」「人事異動による役割・地位の変化によるストレス」が多いことが分かります。これらは、企業の規模に関わらず、組織の中で仕事をする中では誰でも直面しうる問題です。

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メンタルヘルスケアへの取り組みは企業の重要課題

令和3年(2021年)6月に厚生労働省が公表した令和2年度「過労死等の労災補償状況」を見ると、令和2年度(2020年)に精神障がいとして請求があった2051件のうち1906件が、精神障がいとして決定されました。そのうち仕事による強いストレスが原因で精神障がいを発病した、いわゆる「業務上疾病」として労災の支給が決定したのは608件といずれも増加傾向にあります。

■精神障がいの請求、決定及び支給決定件数の推移

精神障がいの請求、決定及び支給決定件数の推移

【出典】厚生労働省・令和2年度「過労死等の労災補償状況」/図2-1 精神障がいの請求、決定及び支給決定件数の推移をもとに筆者作成

精神障がいの労災支給決定件数の増加を受け、平成26年(2014年)6月には、「労働安全衛生法」の一部が改正され、従業員50人以上の事業場には労働者の心理的な負担の程度を把握するために、医師や保健師等によるストレスチェックの実施が事業者に義務付けられました(従業員50人未満の事業場については努力義務)。

従業員数の多い・少ないに関わらず、いかなる企業においても従業員のメンタルヘルスケアへの取り組みは重要課題のひとつでしょう。こうした動きを受け、メンタルヘルス不調の予防や早期ケアのために、社内に心理カウンセラーを置き従業員の相談を受けつけるなど、カウンセリング体制を導入する企業もあります。

日本では、ストレスから体調を崩すなど強いこころの不調を感じてからカウンセリングを受ける人が多い印象がありますが、例えばアメリカなどでは、こころの病気でなくてもストレスケアの目的で気軽にカウンセリングを受けに行きます。欧米のTV番組や映画などで、カウンセリングのシーンが出てくるのを観たことのある人も多いのではないでしょうか。

カウンセリングを受けるのに、重い症状や自覚がある必要はありません。本人が「そこまで悩んでいない」と思っていたり、日常生活を不自由なく送っていたりしていても、実は強いストレスを感じているケースもあります。早めにカウンセリングを受けることで、こころの病気を未然に防ぐことにつながるかもしれません。

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カウンセリングで話す内容と話すことの意味

カウンセリングでは、相談者が日頃から悩んでいることや気になっていること、直面している問題の状況などをカウンセラーに聞いてもらいます。自分のことを話し、しっかりと聞いてもらう、カウンセラーとの対話の時間を通じて、問題点を一緒に整理していきます。口に出して話すことで、自ら解決の糸口が見つかることもあるでしょう。

カウンセリングで話す内容は、明確に決まりがあるわけではありません。相談者の悩みが千差万別なように、カウンセリングで話す内容も人それぞれです。また、カウンセリングの進め方もカウンセラーによって異なります。

順序だてて話すのが難しい場合には、「分からない」「不安」「怖い」「つらい」「困っている」などのネガティブな感情を単語で伝えたり、不満や愚痴を言ったりするだけでも良いと言われています。

カウンセリングを受けるメリットや期待できる効果

厚生労働省「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」には、『カウンセリングは、どうしたらよいのかのアドバイスを受けたり、答えを出してもらったりするためものではありません。自分自身の力で立直っていくきっかけをつくったり、気持ちや考え方を整理していくサポートを行ったりするのがカウンセリングなのです。』と記載されています。

また、同サイトでは、“カウンセリングを受けるメリット”として以下が挙げられています。

●カウンセリングを受けるメリット
・話をしっかり聞いてもらえる
・自分の考え方のくせや意外な長所に気づくことができる
・今抱えている問題を整理できる
・考え方を今の状況に適したものに切り換えられる
・人とうまくつきあうための自分なりの方法を見つけられる
・人として成長できる
【引用】厚生労働省「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」

厚生労働省「平成24年労働者健康状況調査」では、現在の自分の仕事や職業生活での不安、悩み、ストレスについて「実際に相談した人がいる」と答えた人の割合は73.8%、実際に相談した相手(複数回答)としては「家族・友人」が 82.1%と最も多く、次いで「上司・同僚」が66.9%となっていました。

しかし、実際に相談した結果、「抱えている不安や悩み、ストレスが解消されたかどうか?」という問いに対しては、「解消された」と答えた人が33.0%、「解消されなかったが、気が楽になった」と答えた人が61.1%という結果になっています。

この結果を見ると、相談できる人が身近にいて、話を聞いてもらうことで一時的に気が楽になってとしても、根本的な不安や悩みの解消をするのは、難しいことであると考えられます。気を許す家族・友人や、上司・同僚の存在だけでなく、こころの健康を維持するためには専門的な知識や技術の力を積極的に取り入れていくことも必要なのかもしれません。

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カウンセリングを受ける場所や種類・方法

それでは、心理カウンセリングを受ける場合には、どこに行けばよいのでしょう?また、カウンセリングにはどのような種類・方法があるのかも見ていきましょう。

カウンセリングを受けられる場所

一般的に、成人向けのカウンセリングは、以下のような場所で実施されています。

大きく分けると医療機関・公共機関・民間機関の3つに分けられます。

①医療機関
・医療機関の「精神科」「心療内科」

②公共機関
・精神保健福祉センターまたは保健所の「精神衛生相談室」
・ハローワークの「心理カウンセリングコーナー」

③民間機関
・自社の「カウンセリング室」
・民間企業または法人団体が運営する「カウンセリングサービス」
・個人カウンセラーが運営する「カウンセリングサービス」

カウンセリングの種類

実際にカウンセラーと会って話をする「対面カウンセリング」では、1対1で話をするカウンセリングだけでなく、複数の相談者が集まって話をするグループカウンセリングもあります。グループカウンセリングでは、自分と同じような悩みのある他の相談者の話を聞くことで、共感したり、自分や他人を客観的に見たりすることができます。

直接話すことが苦手な人には、電話・メール・インターネット上のチャット形式でやりとりができる、非対面でのカウンセリングもあります。最近は、オンラインカウンセリングも普及してきており、カウンセラーと直接顔を合わせて話はしたいけれど、出掛けていく時間がない人、外出を避けたい人にも便利な環境が整ってきています。

このように、カウンセリングを受けられる場所や種類は多岐にわたります。「カウンセリングを受けるならば、医療機関に行かなければならない」「1対1でしっかりと話をしなければいけない」など、“絶対にこうしなければ”と決めつけてしまうと敷居が高く感じられて、なかなか踏み出せなくなってしまうかもしれません。

自分ひとりで問題を抱え込まないために、まずは行きやすいと感じるカウンセリングの場所や方法を選ぶのも、ひとつの方法です。

カウンセリングの料金は?保険は適用される?

カウンセリングの料金の相場

カウンセリングは受ける機関や相談者の症状によって、料金や保険適用の可否が異なります。

公共機関で受け付けている相談や企業が契約している産業医などによるカウンセリングを受ける場合には無料なことが多いため、最初の相談窓口として心強い存在です。ただし、無料の相談窓口の場合、治療や通院が必要であるという判断や病院紹介などに留めていることや、1回ごとにカウンセラーが変わることもあり、長く通う場合には医療機関か民間機関のカウンセリングを利用することが多いでしょう。

これらのカウンセリングの料金体系・料金設定は様々ですが、対面カウンセリングを例にすると、1回60分あたり10,000円前後ほどが相場と言われています。

保険が適用されるケース

うつ病などの症状を軽くするために、精神科・心療内科といった医療機関で医師(または看護師)による治療としてカウンセリングを受ける場合には、保険が適用されます。ただし、医師やカウンセラーによって治療やカウンセリングの認識が異なる場合があるため、カウンセリング前に保険が適用されるかどうかを確認すると良いでしょう。

保険が適用された場合、実際にかかった料金の一部のみを自己負担します。自己負担額は、6歳(義務教育就学後)~70歳未満の現役並み所得者の場合3割負担となります。
【参考】厚生労働省「我が国の医療保険について」

保険が適用されないケース

上記のように、精神障がいの治療を目的とした医療機関への通院でない場合は、保険が適用されません。

カウンセリングは、必ずしも1回で問題解決するわけではなく、特にこころの不安が大きい場合などには、継続して通うことで効果が期待できるケースも多々あります。回数を重ねるとその分、経済的な負担が大きくなります。カウンセリングを受けるにあたっては、ある程度の経済的な負担を伴うことを理解し、事前に料金体系・料金設定について確認をしておきましょう。

まとめ

“ストレス社会”という言葉があるように、近年、こころの不調を感じる人は決して少なくありません。厚生労働省が提示する、「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」では、メンタルヘルスケアの具体的な進め方として、『事業場内の関係者が相互に連携し、以下の取組みを積極的に推進することが効果的である』とまとめられています。

■メンタルヘルスケアの具体的な進め方/取組み内容
(1) メンタルヘルスケアの教育研修・情報提供(管理監督者を含む全ての労働者が対応) 労働者、管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等に対し、それぞれの職務に応じた教育研修・情報提供を実施してください。なお、事業場内に教育研修担当者を計画的に養成することも有効です。

(2) 職場環境等の把握と改善(メンタルヘルス不調の未然防止)  労働者の心の健康には以下のとおり様々な要因が影響を与えることから、日常の職場管理や労働者からの意見聴取の結果、ストレスチェック制度を活用し、職場環境等を評価して問題点を把握するとともに、その改善を図ってください。

(3) メンタルヘルス不調への気付きと対応(メンタルヘルス不調に陥る労働者の早期発見と適切な対応) メンタルヘルスケアにおいては、ストレス要因の除去又は軽減などの予防策が重要ですが、万一、メンタルヘルス不調に陥る労働者が発生した場合に、その早期発見と適切な対応を図ることが必要です。

(4) 職場復帰における支援 メンタルヘルス不調により休業した労働者が円滑に職場復帰し、就業を継続できるようにするため、衛生委員会等において調査審議し、職場復帰支援プログラムを策定するとともに、その実施に関する体制整備やプログラムの組織的かつ継続的な実施により、労働者に対する支援を実施しましょう。
【引用】「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」より抜粋

メンタルヘルス不調への対策は未然防止と早期発見そして適切な対応が重要なポイントとなります。 早く・正しく組織の課題を発見し、課題解決への適切なアクションをとるためにAIによるリアルタイム分析を活用するのも良いでしょう。

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