キャリアプランが大事な理由。考え方とメンバーマネジメント方法も解説

部下タレントマネジメントワーク・エンゲージメント

学校教育の中でも「キャリア教育」に力を入れているように、多様な働き方や雇用といった幅広い選択肢が存在する現代社会においては、個人が自らのキャリアプランを主体的に考えて実行していくことが重要です。一方で、企業としても優秀な人材の流出を防ぐためにも、社員のキャリア支援が必要不可欠となってきました。

この記事では、なぜキャリアプランが社員・企業の双方にとって大事なのか?そして、具体的なキャリアプランの考え方や作り方、立場年代などにより、ひとりひとり異なるキャリアプランを持つメンバーマネジメントにおいてやるべきことを解説します。

本記事のサマリー

  • キャリアプランとは、自分の仕事や働き方について「5年後、10年後にどうなっていたいのか」を明確にし、中長期的な行動計画をたてること。
  • 終身雇用が当たり前ではなくなり働き方の多様化が進む中で、ビジネスパーソンのキャリア形成の道筋は、企業が用意するものではなく、個人が主体的に考えるものに変わってきた。
  • 自身のキャリアプランを持つことは、現在の課題の明確化や仕事へのモチベーションUPにつながる。企業としては、社員のキャリア支援を行うことで、人材の定着や社員のエンゲージメントの向上につなげることができる。
  • キャリアプランは、ライフプランも含めた10年後の理想の姿から逆算して、実現のために必要な行動計画をたてることである。思いつかないときは、既存のフレームワークを活用し、イメージを具現化していくのも有効。
  • 年代や性別、立場により思い描く将来像は異なるため、ひとりひとりのキャリアプランに合わせたメンバーマネジメントを行う必要がある。
  • これから、社員のキャリアプランを設定していくのであれば、一過性の研修に留めるのではなく、人事制度や組織の環境づくりを併せて準備する。
  • 定量化しづらいメンバーのコンディション管理には、人の目だけでなく客観性のあるAIツールの導入をする方法もある。

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目次

キャリアプランとは

キャリアプランとは、自分の仕事や働き方について「5年後、10年後にどうなっていたいのか」を明確にし、中長期的な行動計画をたてることです。

“キャリア”とは何か

組織行動の教授であるアメリカの心理学者ダグラス・T・ホールは“キャリア”を以下のように定義しています。

『キャリアとは生涯にわたる期間において、仕事に関する諸経験や諸活動と結びついており、個人的に知覚された一連の態度や行動である。』

終身雇用が当たり前ではなくなり働き方の多様化が進む中で、ビジネスパーソンのキャリア形成の道筋は、企業が用意するものではなく、個人が主体的に考えるものに変わってきました。

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キャリアプランをたてる・支援することの重要性

社員が自身のキャリアプランを持つことや、企業として社員のキャリア支援を行うことは、社員にとっても企業にとっても重要な意味を持ちます。なぜキャリアプランが重要なのか?社員側・企業側のメリットについて解説します。

社員がキャリアプランを考えるメリット

現在の課題や短期的な目標が明確になる

中長期的な目線でキャリアプランを描くことで、実現のために「今の自分のスキルには何が足りないのか」「不足しているスキルを身に付けるために何をするべきなのか」の短期的な目標が明確になります。

仕事へのモチベーションが高まる

自己実現のために経験・スキルを積もうという成長意識を持って、モチベーション高く日々の業務に取り組めます。「今の働き方でよいのだろうか」と悩むストレスが少なくなり、目の前の仕事に集中できるようになるでしょう。

的確なキャリアマネジメントを受けることができる

メンバーのキャリアプランをリーダー・上司が正しく把握することで、的確なキャリアマネジメントを受けることができることもメリットのひとつです。

業務の振り返りの中で、「キャリアプランの実現のために何が足りないのか」「今行っている仕事が何の役に立つのか」という会話ができるようになるほか、将来のためのステップアップにつながるプロジェクトに参加できる可能性も高くなります。

企業がキャリアプランを支援するメリット

社員のエンゲージメントの向上につなげることができる

エンゲージメントとは、“従業員の会社への愛着や信頼度、貢献度”を表わす言葉です。会社として、社員のキャリア形成や自己啓発への支援をすることで、従業員としても仕事に積極的に関与し、会社に貢献したいという思いを強く持つようになるでしょう。

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適材適所の人材配置をすることができる

「将来のために、このような仕事をしたい」というメンバーの意思を、組織の中での人材配置に活かすことができるようになります。社員の特性や思考に合わせた適材適所への人材配置は、単に作業を円滑に進めるためだけでなく、社員が自分らしく働く組織づくりのためにも有効です。

人材流出のリスクを下げることができる

所属する企業の中で自分が描いたキャリアプランの実現が難しいと、必要な経験やキャリアを得るために転職という選択肢を選ぶ社員もでてきてしまいます。企業として、社員ひとりひとりのキャリアプランを理解し支援することが、人材の流出を防ぐことにつながるのです。

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キャリアプランの考え方

キャリアプランは人生設計と矛盾がないように考える

キャリアプランは、自身の人生設計とあわせて考える必要があります。例えば、結婚や出産をする、家を買うなどの人生の転機となるライフイベントと仕事は、切り離して考えることはできません。

自分がどんな人生を歩みたいのか、そのためにはいつまでにどのようなキャリアを積んでいく必要があるのか…キャリアプランと人生設計に矛盾がない計画をたてるようにします。

期間内に実行できる、具体的な目標計画をたてる

キャリアプランよりも広義な言葉に“キャリアビジョン”という言葉があります。キャリアビジョンとは、将来なりたい自分の理想の姿、理想のビジョンを描くことです。

キャリアプランをたてるときは、キャリアビジョンを念頭に置き、10年後、5年後、3年後、1年後と期間を決めて、「いつ」「どこで」「どんな仕事をするか」を具体的に考えていきます。このとき、決めた期間内に無理なく実行できる目標計画にすることが大切です。

キャリアプランは定期的に見直し修正・調整をする

キャリアプランはあくまでも目標計画です。現実には、周囲の環境や自身の価値観が変化することもあるでしょう。キャリアプランの確度をあげるために、定期的に見直し変化にあわせて柔軟に修正・調整をすると良いでしょう。

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キャリアプランの作り方と活用するフレームワーク

キャリアプランを作る際は、次のような手順で進めていきます。

1.過去のキャリアを振り返り、現状を把握する
2.将来なりたい理想の自分の姿を具体化する
3.現状と将来像のギャップを埋めるための行動計画をたてる

ここからは、それぞれの工程で考える観点とイメージを具現化するのに活用できるフレームワークを紹介します 。

1.過去のキャリアを振り返り、現状を把握する

最初に、自分のキャリアを振り返り自己分析をします。以下のような観点で、過去~現在の経験を振り返りましょう。

・楽しさ・やりがいを感じた仕事は何か
・自分が残した成果・実績は何か
・自分の強み・弱みは何か
・自分が持っているスキルは何か

自己分析を行う際は、幼少期から現在までの出来事とモチベーションの高さ・低さを書き出す「モチベーショングラフ」のようなフレームワークを活用することもあります。

2.将来なりたい理想の自分の姿を具体化する

過去の振り返りと現状の自己分析ができたら、未来について考えましょう。

・社会の中でどんな役割を果たしていたいか
・仕事でどのような自己満足を得たいか
・どのような働き方をしたいか

まずは10年後の自分を思い浮かべ、大まかな理想像=キャリアビジョンをイメージします。

キャリアビジョンが思いつかないときは、自分の強み・弱み(内部要因)と環境のメリット・デメリット(外部要因)を掛け合わせて分析する「SWOT分析」などのフレームワークを活用するのもおすすめです。

3.現状と将来像のギャップを埋めるための行動計画をたてる

10年後の理想像が描けたら、5年後、3年後、1年後…と逆算して必要な経験やスキルを身に付けられるよう、行動計画=キャリアプランをたてます。

「10年後の理想を叶えるために、5年後には何ができているべきか?」「5年後の目標を達成するために、3年後にはどんなスキルを身に付ける必要があるか?」「3年後に必要なスキルを身に付けるために、1年後にどんな経験や成果、資格が必要か?」というように、具体的な道筋を描いていきましょう。

具体的な行動計画をたてるにあたって、「will can must」のフレームワークを活用することも有用です。

「will can must」で考える
「will」:仕事で何を実現したいか
「can」:実現のために何ができるか
「must」:実現に向けやるべきことは何か

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年代別のキャリアプラン例

キャリアプランには産休・育休の影響も

キャリアプランをたてるには、結婚・出産などのライフイベントによる長期休業についても視野に入れておく必要があります。

例えば、女性の場合、産前産後休業(産休)として、産前は出産予定日を含む6週間以内、産後8週間以内の休業日数が認められています。また、性別に関わらず取得できる育児休業(育休)を取得する場合、最長2年間職場を離れることになります。

なお、令和3年(2021年)の平均初婚年齢は、夫31.0歳、妻29.5歳、第1子出生時の母の平均年齢は30.9歳、最多の年代は25~29歳となっています。


働く中で考える学び直しの理想年齢

平成30年(2018年)に、経済産業省がまとめたアンケート調査では、働き手が考える「学び直し」を始める理想年齢は「30代以前」が半数以上の56.2%を占め、特に30代~40代前半の時期が多いという結果が出ています。

問.人生100年時代の中で、生涯活躍するために、何歳くらいをスタート地点として次のキャリアを見据えた学び直しに取り組むことが望ましいですか。(n=1307)

学びなおしたいものがある

【出典】「労働市場における最新技術の活用状況と企業動向等に関する調査/平成29年度(2017年度)産業経済研究委託事業」をもとに筆者作表

このように年代や性別、立場により思い描くキャリアプランは異なります。ここからは、年代ごとにどのようなことに重きを置いてキャリアプランをたてればよいのでしょうか?一例を見ていきましょう。

20代後半~30代前半

20代後半~30代前半の若手社員は、入社してからこれまでの業務の中でやりがいを感じたことや辛かったことなどをしっかりと振り返ると良いでしょう。

そのうえで自分の強みを活かして、今後チャレンジしたいことや学びを深めたいことを目標に定めていきます。

30代後半~40代前半

経験値を積んだ30代後半~40代前半の中堅社員の場合、企業から期待されているキャリアと自身の希望するキャリアにギャップが生じているケースも少なくありません。

自身の目指すキャリアに進むために、これまでの経験をどう活かすのか?を考えることが今後のキャリアプランを作るうえで重要なポイントになるでしょう。

40代後半~

40代後半以降のベテラン層になると、自己実現よりも社会貢献へと視野が広がっています。自分がこれまで培ってきたキャリアを社会に提供する価値としてキャリアプランを再構築できるのもベテラン層ならでは、といえるでしょう。

また、早期退職という選択肢を意識して、ワークライフバランスを見直し始めるケースも考えられます。

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リーダーがすべきキャリアプランの支援

このように個人が掲げるキャリアプランは、ひとりひとり異なります。つまり10人のメンバーがいれば10通りのキャリアプランがあるということです。

それでは、現場でメンバーマネジメントにあたるリーダーは、どのようにしてメンバーのキャリアプランを支援していけば良いのでしょうか。

スキルアップできるよう挑戦の機会を与える

メンバーは、従来よりもレベルの高い業務または分野の異なる業務を担当したり、仕事で学んだことを実際に活用したりすることで、自身の仕事能力の向上を実感することができます 。 【参考】公益財団法人日本生産性本部「第7回働く人の意識に関する調査/2021年」

現状維持に留まらず、メンバーのスキルアップにつながるような挑戦の機会を積極的に与えると良いでしょう。

仕事の成果を具体的にフィードバックする

目の前の業務に追われていると自分では、自分の仕事ぶりを客観的にとらえることが難しいこともあります。

メンバーが今どのような成果をあげているのか、また不足していることがあればどこが足りていないのかということを具体的にフィードバックすることで、自身の現状の強み・弱みを認識する機会につながります。

キャリア形成の動機付けを行う

一度キャリアプランをたてても、日々の仕事が自身のキャリア形成にとって意味のあるものなのか?ということは、メンバーの視点では気づきにくいこともあります。また、思い描いたキャリアプランとのギャップに焦りや物足りなさを感じてしまうこともあるかもしれません。

そんなときは、メンバーのモチベーションの向上・維持のためにも、現在行っている業務がキャリアプランにどのように活かせるのかを助言し、キャリア形成への動機づけを行います。

適切な情報を提供する

適切な情報をメンバーに提供することも大切です。メンバーのスキルアップに有効と思われるプロジェクトへの参加や社内の研修制度や人事制度など、キャリアプランの実現に役立つと思われる情報は、漏れなくメンバーに伝えるようにしましょう。

メンバーのキャリア志向を正しく理解する

これらのようなメンバーのキャリア支援をするためには、メンバーひとりひとりのキャリア志向を正しく把握し理解する必要があります。定期的に話をする機会を持つだけでなく、日常的にメンバーのコンディションを確認し、適宜フォローアップするよう心掛けましょう。

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まとめ

個人がキャリアプランを描き、主体的に経験やスキルを身に付けることは、今後の予期しない環境の変化に対応していく力になります。企業としても、個人のキャリア支援体制を整えることで、人材の定着や従業員エンゲージメントの向上につながり、組織の活性化や生産性の向上といった効果が期待されます。

社員メンバーの目標管理・キャリアプランの設定をこれから行うという場合には、「キャリアプランをたてる」という一過性の研修に留めるのではなく、スキルアップできる機会提供のための人事制度や継続的にメンバーマネジメントを行えるような組織としての環境づくりを併せて準備するようにしましょう。

定量化しづらいメンバーのコンディション管理には、人の目だけでなく客観性のあるAIツールの導入をする方法もありますので、検討してみるのもおすすめです。

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