アンガーマネジメントの方法4選!管理者がすべき怒りのコントロールとは

人間関係マネジメント

「従業員の離職率が下がらない。自身のマネジメントスタイルを変えたほうがいいのだろうか?」

このような悩みを持つ、管理者の方も多いのではないでしょうか。

現代社会では、風通しの良い職場環境は離職防止に欠かせなくなっています。もし組織において、管理者が部下に対して理不尽に怒る風潮があるなら、是正しなければいけません。部下はマイナスの感情しか抱かず、モチベーションも下がってしまうからです。

今回お伝えする「アンガーマネジメント」を実施すれば、怒りの感情をうまくコントロールし部下とストレスのない関係が築けます。この記事では、アンガーマネジメントの実施方法を掘り下げて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

本記事のサマリー

  • アンガーマネジメントとは、怒りの感情をうまくコントロールするための心理教育、心理トレーニングのこと
  • 怒りは第1感情と第2感情のメカニズムから発生し、4種類のタイプから成り立つ
  • アンガーマネジメントの目的は5つ(①職場の人間関係改善②中堅や若手社員の育成③仕事の生産性を上げる④離職率低下⑤健康経営の促進)
  • アンガーマネジメント実践方法は4つ(①「6秒ルール」の実施②「~すべき」の思考を捨てる③「仕方がない」と割り切る④怒りを点数化する)
  • アンガーマネジメント診断で自分のタイプを知るのは有効。12の質問からどのタイプに該当するかを診断できる
  • 怒らないようにマネジメントするための手法は3つ(①「Iメッセージ」を使う②相手に共感する③リクエストする言い方に変える)

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アンガーマネジメントとは

アンガーアネジメントとは、どのようなものなのでしょうか。概念や怒りのメカニズム、怒りの種類とあわせて見ていきましょう。

アンガーアネジメントの概念

アンガーマネジメントとは、怒りの感情とうまく付き合うための心理教育、心理トレーニングのことです。怒らないことを目指すわけではありません。

1970年代にアメリカで生まれたとされ、当初は犯罪者のための矯正プログラムとして活用されていました。近年では一般化され、多くの企業が取り入れています。

職場では管理者がついカッとなって怒ってしまい、部下との距離が遠のいてしまうケースも少なくありません。アンガーマネジメントを会得すれば怒りの感情がコントロールでき、理不尽に怒ったり失敗したりすることによる後悔がなくなります。

怒りのメカニズムである第1感情と第2感情

そもそも、怒りとはどのような仕組みで発生するのでしょうか。怒りのメカニズムは、第1感情と第2感情に分類されます。

第1感情とは、不安、恐怖、寂しさ、疲れなどで、ネガティブな側面から発生する感情のこと。第1感情が許容範囲を超えたときに出てくるのが、第2感情である怒りです。つまり、怒りとは第1感情が土台にあることで発生する感情なのです。

これらのマイナス感情を抱くのはごく普通で、決して悪いことではありません。怒りの感情を抑えようとするのではなく、その前の段階である第1感情に気づくことが大切です。

アンガーマネジメントでは、怒りの感情をなくすことはできません。あくまで、怒りをコントロールするマネジメントなのです。

怒りの感情4つの種類

怒りの感情には、4つの種類が存在します。それぞれについて、見ていきます。

持続性のある怒り

何度も思い返したり過去から引きずったりするのが、持続性のある怒りです。すでに終わってしまっている感情なのに、自ら呼び起こしてしまいます。

過去にパワハラを受けたり正当に評価されなかったりした負の感情が本人のなかに根深く残ってしまうと、簡単に消し去ることはできません。
持続性のある怒りは時間の経過とともに膨れ上がり、抑えられなくなった時点で、自分がされたのと同じように部下に対して怒りの感情をぶつけてしまい、離職に追い込んでしまうケースも少なくありません。

頻度の高い怒り

普段の些細なことに、過敏に反応してしまう怒りの感情です。頻度が高いほど負の感情を抱く時間が長くなり、精神衛生上よくありません。

怒りの感情を抱くことは、それなりに力を消耗します。頻繁に怒るほど、自ら疲れを生み出しているのです。

強度が高い怒り

負の感情が強く、表情や言動が激しくなってしまうほどの怒りです。怒り出すと歯止めが利かなくなるケースが該当します。

部下に注意しているとき、相手の態度や仕草が受け入れがたいものであれば怒りの感情が増大し、自分で感情がコントロールできません。「そこまで言わなくても」ということまで口に出してしまい、ひどく後悔した経験のある管理者もいるのではないでしょうか。周囲に対しても、不快な気分にさせてしまいます。

職場では、パワハラに発展しやすい怒りだといえるでしょう。

攻撃性がある怒り

相手やモノに対して、高い攻撃性を持つ怒りの感情です。モノを投げたり蹴ったりなどの行動を引き起こしてしまいます。職場でなくても決して引き起こしてはいけない怒りで、対象の相手とは今後良好な関係を築けることはありません。

厚生労働省が定義するパワーハラスメントの概念では、該当する行為として以下が挙げられています。

●暴力により障害を負わせる行為
●著しい暴言を吐く等により、人格を否定する行為
●何度も大声で怒鳴る、厳しい叱責を執拗に繰り返す等により、恐怖を感じさせる行為
【出典】厚生労働省「パワーハラスメントの定義について・PDF」

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アンガーマネジメントを実践する5つの目的

管理者がアンガーマネジメントを実践するのは、5つの目的が挙げられます。それぞれの目的について、確認しましょう。

人間関係を良好に保つ

1つめの目的は、職場の人間関係を改善し良好に保つことです。アンガーマネジメントで冷静に自分の気持ちを伝えるスキルが身に付けば、上司や部下、同僚とも風通しの良い関係が結べます。

部下に対して感情のおもむくままに怒ったり叱ったりしていたなら、たとえ指導のつもりでも相手は決していい気はしません。関係性は悪くなる一方でしょう。

反対に怒りの感情から冷静になり、トーンを下げて事実を客観的に述べたとしたらどうでしょうか。部下は自分の問題を適切に指摘されたと思い、改善しようとする気持ちが芽生えるはずです。部下は上司に対して負の感情を抱くことはなく、関係性が壊れることはありません。

アンガーマネジメントを実践することで、職場やプライベートでも人間関係を良好に保てるようになります。

中堅や若手の育成になる

2つめの目的は、中堅や若手社員の育成に役立てること。早い段階でアンガーマネジメントが実践できていれば、将来自分が管理者になったときに風通しの良いチームが運営できるようになるからです。

従業員一人ひとりがアンガーマネジメントを身に付けることで、組織全体で感情がコントロールできる状態が理想でしょう。

怒りは、上から下へ流れやすい性質があります。そのため、まずは経営トップや管理者層がアンガーマネジメントについて学び実践しなければいけません。管理者層が怒りの感情をコントロールできていれば、中堅や若手社員への手本となるはずです。

仕事の生産性を上げる

3つめの目的は、仕事の生産性を上げることです。怒りの感情を抱いている状態では、やる気が低下し主体性は生まれません。当然、質の高い仕事は期待できないでしょう。

アンガーマネジメンントで怒りの感情がコントロールできると、意欲低下や集中力の欠如を防ぎます。非効率が是正され、結果として生産性が高まります。

離職率を低下させる

4つめの目的は、離職率の低下です。上司が怒りの感情にまかせて部下と接すれば、モチベーションは著しく下がってしまいます。結果、離職する部下は増えるでしょう。

イライラする気持ちをコントロールし肯定的な気持ちで部下と接すれば、上司部下間の風通しも良くなるはずです。部下は「この会社で働きたい」、「この上司と働きたい」と思い、離職を考えることもありません。

健康経営を促進させる

5つめの目的は、健康経営を促進させること。上司がアンガーマネジメントで怒りをコントロールすることで、部下の心身にかかる負担をケアし、組織で働くことに対して安心感を生み出します。

「健康経営」とは、戦略的に従業員の健康面に配慮し、経営面で大きな成果につなげる経営姿勢です。これからの経営では、ますます重要になってくるといわれています。

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アンガーマネジメントの実践方法4選

アンガーマネジメントは、具体的にどのように実践するのでしょうか。ここでは、4つの方法を見ていきます。

「6秒ルール」を実践する

1つ目の方法は、「6秒ルール」を実践すること。6秒ルールとは、怒りの感情が出そうになったら6秒待って心を落ち着ける方法です。

体内のアドレナリンが原因で怒りは発生しますが、アドレナリンが全身を巡るのは6秒程度といわれています。6秒我慢することで怒りのピークは去り、平常心が取り戻せるでしょう。

あわせて、怒りの原因を紙に書き出すのもおすすめです。書き出すことで冷静さを取り戻しつつ、自分の怒りの傾向を知り対策が立てられるからです。

「~すべき」の思考を捨てる

2つ目の方法は、「~すべきである」の固定観念を捨て去ることです。他人に対して「~すべき」と思うのは、自分の思考とのズレに違和感があるからです。違和感が不満となり、怒りの感情につながるケースも少なくありません。

たとえば与えた仕事をマイペースで取り組む部下が、期日までに提出しても不満を持つ上司がいます。その上司の価値観は、与えられた仕事はすぐに終わらせることで、今まで自分もそうしてきたからです。

しかし、期日までに提出した部下は責められません。価値観は人それぞれで、自分の価値観と合わないからダメだと思うこと自体が間違いです。アンガーマネジメントでは「~すべき」の思考を捨て、他者の価値観を認める思考へと変化させます。

どうにもならない場合は「仕方がない」と割り切る

3つ目の方法は、自力でどうにもならないことは「仕方がない」と割り切ること。仕事においては、怒ったところで何も変わらないことが多々あるからです。

たとえば指示したことができない部下に対して、感情にまかせて怒っても何も変化しません。急にスキルが上がり、期待通りの仕事ができるようにはならないのです。

完璧主義な人ほど、「仕方がない」と割り切ることができません。怒りをコントロールするためには、他人は自分と違うことを理解したうえで「仕方がない」と割り切ることが大切です。

怒りを点数化する

4つめの方法は、自分の怒りの感情を点数化することです。参考例として、以下をご覧ください。

●10点:人生で最高の怒り
●7点:今年一番の怒り
●5点:よく抱く程度の怒り
●3点:コントロールできる怒り
●0点:平常心

抱いた怒りの感情に点数をつけ過去の怒りの感情と比較することで、冷静さを保てるようになります。「この怒りは何点だろう」と自問することで、怒りに対して客観的になれるからです。「この前のできごとは7点だったけど、今回は3点だな」など、怒りの感情を下げることが可能になります。

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アンガーマネジメント診断で自分のタイプを知る

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会が実施する「無料アンガーマネジメント診断」では、12の質問で6つの怒りのタイプからどれに該当するかを診断できます。
【出典】一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

怒りのタイプを知るための12の質問

自分の怒りを知るための12の質問を紹介しましょう。「まったくそう思う」「そう思う」「どちらかというとそう思う」「どちらかというとそう思わない」「そう思わない」「まったくそう思わない」の6段階で回答します。

1.世の中には尊重すべき規律があり、人はそれに従うべきだ
2.ものごとは納得いくまでつきつめたいと思う
3.私は自分に自信がある
4.リーダー的な役割が自分の性に合っていると思う
5.人の気持ちを間違って理解していたということがよくある
6.簡単には解決できない強いコンプレックスがある
7.たとえ小さな不正でも見逃されるべきでないと思う
8.好き嫌いがはっきりとしているほうだ
9.自分はもっと評価されてもよいと思う
10.言いたいことははっきりと主張すべきだ
11.自分で決めたルールを大事にしている
12.人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ

アンガーマネジメント診断でわかる「怒りの6つのタイプ」

日本アンガーマネジメント協会によれば、12の質問から怒りのタイプは6つに分類されます。それぞれについて見ていきましょう。

「天真爛漫」

自由な行動やストレートな発言を重視する価値観のタイプ。自分の言動に制限をかけられることや、はっきりとモノをいわない相手に怒りを感じます。

「威風堂々」

自分の正しさに自信を持っていて、プライドが高い性格のタイプです。自分の意見が否定されたり周りからネガティブな評価を受けたりしたときに、怒りを感じます。

「用心堅固」

慎重で周囲への警戒感が高いタイプ。他人から干渉されると強いストレスを感じます。

「外柔内剛」

一見人あたりは穏やかなのですが、自分で決めたルールは曲げない頑固な性格のタイプです。自分のルールに反したことをしなければならなかったり、周りが自分のルールから外れているのを見たりすると怒りを感じてしまいます。

「公明正大」

道徳やマナーに対して深くこだわるタイプ。正義感が強いためマナー違反をしている人を見るとイライラしてしまいます。

「博学多才」

向上心が強い完璧主義なタイプの性格です。優柔不断や中途半端な言動に強い怒りを覚えます。

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怒らないようにマネジメントするための3つの手法

つい、部下に対してカッとなり怒ってしまった経験のある管理者の方も多いのではないでしょうか。最後に、怒らないようにマネジメントするための3つの手法について見ていきましょう。いずれも、今からすぐに取り組める内容ですので、一度実践してみてください。

「Iメッセージ」を使う

1つめの手法は、「Iメッセージ」を使うこと。Iメッセージとは、「あなた」を主語にした話し方を「わたし」を主語にした話し方に置き換えることです。怒りの感情が湧きやすい人は、一般的に他責の傾向が見受けられます。

●「(あなたは)なんで失敗するのか」
●「(あなたは)本日中に報告するように」

上記のように、相手を主語にしがちです。命令されたように感じ、決していい気はしないでしょう。

●「(わたしは)あなたが失敗しないか心配だ」
●「(わたしは)あなたが本日中に報告してくれると助かる」

自分の感情を表しているのは同じなのに、上記のようにIメッセージに置き換えるだけで相手の受け取り方は変わります。「命令されて動く」から「自分の意志で動く」に変化するのです。

「怒らないと人は動いてくれない」は、非効率な考え方です。怒りの感情が出やすい管理者こそIメッセージを意識することで、主体的な部下が生み出せるはずです。

相手に共感する

2つめの手法は、相手に共感すること。相手に対するイラ立ちや怒りなどのマイナス感情が適切にケアされるからです。

相手に共感する際のポイントは、以下を参考にしてください。

●話している相手の表情や姿勢、視線をしっかりと見る
●話している相手の感情をくみ取った言葉で伝える

「仕事が多すぎて終わりません。ストレスがたまる一方です。」このような不満を持つ部下に対して「〇〇さんは責任感が強いので、周囲から頼られて大変だね。」とまずは共感を示します。そうすることで、部下は話しやすい環境になるでしょう。

部下に対して否定しがちな管理者こそ、まずは共感することを意識してみてはいかがでしょうか。部下に対する負の感情が整理され、冷静に話が聞けるようになるはずです。

リクエストする言い方で伝えてみる

3つめの手法は、部下に対して怒るのではなくリクエストする言い方で伝えてみることです。「どうしていわれたことができないんだ!」と上司にいわれても、部下にはその理由がわかるはずがありません。部下の行動は、いつまでたっても改善されないままです。

●「いわれたことを忘れないようにメモしてほしい」
●「わからない点があれば、その都度確認してほしい」

上記のように、「~してほしい」と小さな行動をリクエストしてみましょう。部下の行動も、自然に変わるはずです。

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まとめ

以上、アンガーマネジメントについて解説しました。怒りの感情をコトロールし部下と接することで、風通しの良い組織になりエンゲージメントが高い人材が育つことがおわかりいただけたのではないでしょうか。そのような組織では、離職率も低下するはずです。

なによりも大切なのは、部下の状態を正確に把握することです。そして、一人ひとりの課題に対する具体的な解決策を上司は示さなければいけません。

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