ロールモデルとは、自身の行動指針となる「お手本」のような人物を意味します。 社内において、社員がロールモデルを持つことは目標設定を容易にしたり、成長速度を加速させたりするという点で重要視されています。
本記事では、ロールモデルを社員自身が設定する方法とロールモデルが見つからない際に企業の働きかけで育成・設定する方法をご紹介します。
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【主なトピック】
【こんな方におすすめ】
ロールモデルとは、自身の行動指針となるお手本の人物のことを指します。ロールモデルは日々の暮らしで形成されることが多く、例えば両親や学生時代の先輩など、身近な存在をロールモデルとして行動や考えを模倣してきた方も多いのではないでしょうか。ロールモデルがいることで目標が定まるため自身の思考や行動の指針が明確になります。
「ロールモデルを設定する」ということは、企業に属する社員にとっても重要なことです。 ここでは企業でのロールモデルの役割に焦点を当て、社員がロールモデルを設定することの重要性や、見つけ方、ロールモデルに相応しい人材の要件を解説します。
自身の行動の「お手本」となるロールモデルですが、なぜ企業内においてもロールモデルを設定することが重要であると言われているのでしょうか?ここでは、社員がロールモデルを持つことの重要性とそれによって期待できるメリットを見ていきます。
企業内で社員にロールモデルがいることが重要であると言われている理由は以下の3つです。
まず、社員はロールモデルがいることで自己成長につながる行動計画を立てやすくなります。これは、社員がロールモデルを設定することで自身の目標とそれまでの手順を明確化できるためです。
つまりロールモデルとの比較を行うことで自身の行動や能力を客観視できるため、不足している部分を補うために起こす必要がある行動を把握できるのです。これによって社員は自己成長のために最適な行動を計画的に取れるようになります。
社員はロールモデルを設定することで成長のための行動計画が立てやすくなるだけでなく、自身の行動を客観視する機会が増えるため速いスピードで行動改善を重ねていくことができます。ロールモデルを設定しない場合よりも成長速度が速くなるため、業績向上にも貢献できるようになるでしょう。
ロールモデルの設定は社員のモチベーション・エンゲージメントを向上させることができるという点においても重要であると言えます。ロールモデルの設定が社員の目標をより具体的にして、「目標に向かって努力すること」への心理的ハードルを下げられるためです。
スキルの取得や労働生産性などの抽象的な目標を置くと、それらを達成するための行動や道筋を確実に把握できておらず目標達成に届かない事態が発生する可能性があります。しかし、抽象的な目標を体現している人物をロールモデルとして設定することで、自身の理想の姿が具体化され、また取るべき行動も把握できるようになるのです。
さらに、社員のモチベーションが向上し業務に意欲的に取り組めるようになることは、他の社員への刺激ともなるため組織活性化にも繋がります。
これら3つの重要性からロールモデルの設定は、人材育成や社員のモチベーション向上による組織の活性化、社員の定着率向上といったメリットをもたらす効果があると言えます。
ここまで、企業において社員がロールモデルを持つことの重要性を解説しました。では、具体的にどのような人物がロールモデルとなりえるのでしょうか?
一般的には、自身に身近な人物がロールモデルになりやすいとされています。企業内において設定する際の例としては、直属の上司や関わりのある同僚などが挙げられるでしょう。社員が業務遂行を間近で見ていて、刺激を受けるような社員がロールモデルに適していると言えそうです。
ロールモデルというと、仕事に精力的で業績を出す人物であることやリーダーシップを発揮している人物であるイメージが強くなりがちですが、仕事だけに限らず育児などの生活を両立させている社員もロールモデルになりえます。
例えば、将来育児を考えている社員にとって、育児と仕事の両立を体現する社員がいることは安心感が強く、それによって自身の将来の展望も立てやすくなるでしょう。実際に、厚生労働省の「ロールモデルの育成およびメンター制度の導入に関するアンケート調査」の資料によると最も多くの企業で「仕事と私生活のバランスをとりながら働いている」という要素が女性社員のロールモデルの要件であるとされています。
企業にとっても、出産・育児による離職を防ぐためには特に女性の活躍を支援する必要があり、出産や育児というライフステージを乗り越えて仕事を継続している社員をロールモデルにすることは女性の産休後の離職を防止する効果的な策の1つであると言えます。女性に限らず、男性が育児をする際にも仕事と生活の調和が取れた社員はロールモデルになります。
ロールモデルは1人に絞って設定する必要はありません。自身の目標とする姿を完璧に体現している人物と出会える可能性は限りなく少ないです。関わりのある人物の1人1人に特徴的な強みがあることは当然で、業務遂行面で真似したい能力を持つ人物、人間関係の構築において真似したい特徴を持つ人物など場合によってロールモデルとなる人物が異なることもあるでしょう。
そのような場合はロールモデルを1人に絞る必要はなく、自身で空想の理想像を一つ作り上げて複数のロールモデルの強みを異なる場面で真似するようにしても良いでしょう。実際に、ロールモデルを1人の人物に限定することなく、多様な理想像を組み合わせて自身のロールモデルを作り上げることは「モザイク型ロールモデル」と呼ばれています。
実はロールモデルは実在する人物でなくても機能します。アニメや映画の登場人物など自身の信念を体現するキャラクターや、生き方が理想的なキャラクターなどを自身の行動指標に設定できます。 実在しないキャラクターであってもその登場人物の性格や行動から、ビジネススキルに応用できる場合もあります。
ここまででどのような人物がロールモデルとなりえるのかを見てきました。ロールモデルになりそうな人物像は把握できても実際にロールモデルをどう見つければ良いか分からない、または自分が理想とする要件を詳細に把握していないという方も多いのではないでしょうか。
目標としてロールモデルを見つけるためにはそもそもどんな人物がロールモデルとして相応しいのかを決めてロールモデルの要件を明確にする必要があります。
ここでは、厚生労働省の資料を参考に、能力の向上をどのように図っているかという視点の「キャリア面」と自身の仕事と生活を調和させることで働きやすい職場環境をどのように作っているかという視点の「ワークライフバランス面」という2つの要素に分類した要件を役職別に見ていきます。
キャリア面
ワークライフバランス面
キャリア面
ワークライフバランス面
キャリア面
ワークライフバランス面
キャリア面
ワークライフバランス面
以上のように、役職や年齢のそれぞれのライフステージで社員が経験することが異なるため、キャリア面とワークライフバランス面においてロールモデルとしての要件を分類することが重要であると言えます。
社員自身が個人的にロールモデルを設定する際に重要なことは、「なんとなく」で決めずに、自身の理想の姿とそれに伴ったロールモデルの要件を明確にすることです。
まず、社員が自身のロールモデルとなる人物を探すには、自身の理想の将来像を想像して伸ばしたい能力を把握する必要があります。この手順を踏むことでロールモデルにしたい人物の特徴を洗い出すことができます。自身の理想の状態が把握できていないと軸が定まらずに色々な人物の特徴を取り入れて迷走してしまう可能性があるので、丁寧に自分自身の理想を定めることを意識してみてください。
ロールモデルにしたい人物の特徴が洗い出せたら、周りに自身の理想を体現している人物がいないか振り返ってみましょう。自身が理想とする能力を持っているまたは行動を起こしている人物が思い当たればその人物をロールモデルとして設定します。
ロールモデルを設定する際に重要なことはその人物の能力や行動特性の元になっている理由やパターンを分析して言語化することです。これらをしっかりと分析しておくと、具体的に何を真似すれば良いのかが明確になるため、ロールモデルがただの憧れになってしまうことを防ぎます。
例えば、「あの人の業務遂行力や傾聴力を取得したい」と思っているだけの状態だと、業務遂行力や傾聴力を高めるための行動まで把握できていないため、ロールモデルが持つ能力を自身に応用させることができません。ここで、ロールモデルの業務遂行力や傾聴力の元となる「習慣」や「行動パターン」を分析して把握するようにしましょう。この場合だと、例えばスケジュール管理を徹底していることや日頃からメモを取っていることなどがロールモデルが持つ能力を支える習慣に当たるでしょう。
これらの習慣などを把握するには、身近な人物の場合であれば積極的にコミュニケーションを取りに行ったり、芸能人の場合だと自伝などを読んだりすることが有効です。
ロールモデルの能力の背景にある習慣や行動特性を把握できたら、実際に模倣していきます。
ここではただ模倣するだけでなく、自身の行動を振り返ってロールモデルとの差分がどこにあるのかを把握して次の行動改善に繋げていくと、さらにロールモデルに近い理想状態を実現することができるでしょう。
ここまでで社員個人がロールモデルを設定するステップをご紹介しました。社員が特定の理想像を把握していてそれに当てはまるロールモデルとなる人物が個人的に設定されていることが理想ですが、社員が自らロールモデルを設定していない場合、企業から働きかけを行う方法があります。
ここからは、企業が社員を選抜してロールモデルとなる社員を設定するステップについて見ていきます。
まず、ロールモデルに相応しい人材の要件を明確にして役職ごとにキャリア面とワークライフバランス面において相応しい能力を持つ人材をロールモデルとして設定します。上記でご紹介した厚生労働省が提示する要件を参考に項目を作成してみると良いでしょう。
次に、ロールモデルが誰なのかを社員へ知らせます。社内に周知する場合、社内報などを使用して周知したり、研修時などに事例として紹介したりする方法が有効です。
最後に、ロールモデルを設定して一定期間経過したのちにロールモデルの設定が社員に効果的であったかを測ることが重要になります。せっかく社内でロールモデルを設定しても、社員にとって適任であるとみなされなければ、社員の成長意欲やモチベーションに影響を与える事は無く、ロールモデルを設定する意義は感じられないでしょう。
効果測定には「ロールモデルが役割を果たしているか」、「ロールモデル設定後に社員になんらかの行動改善がみられたかどうか」という項目を設定して検証を行うと良いでしょう、一般的に、ロールモデルの効果測定方法としてアンケートを実施する方法や、実施後に管理職希望の社員が増加したかを測定する方法が考えられます。
ロールモデルの要件を満たすような人材が組織にいない場合にはどのようにすれば良いのでしょうか?
社内にロールモデルの候補がいない場合は、社内に限らずに社外の組織から要件に当てはまる最適なロールモデルを探してみることも1つの手段です。 しかしより重要なことは社内での将来のロールモデルを生み出すために、人材育成に注力する必要があるということです。この項目ではロールモデルの候補が見つからない際の具体的な対策として研修を実施する方法を見ていきます。
ロールモデルを育成するためにOJTやOff-JTなどの教育制度を活用する例もあります。
OJTやOff-JTでは、人材育成の対象としてロールモデルの候補となりそうな社員を選抜して進めると効率的です。
具体的には、自己啓発支援や研修制度を利用して社員がロールモデルとして必要なスキルや知識を習得する方法があります。さらには社外のリーダーシップマネジメントスキルについての外部研修への参加も選択肢として検討しておくと良いでしょう。
実際に、厚生労働省の資料内で紹介されている女性のロールモデル育成に注力する企業の事例を見ていきます。 コニカミノルタ株式会社では、女性社員のキャリア開発と管理職登用を積極的に進めており、女性社員をロールモデルに育成するための取り組みとして管理職クラスの女性社員の個別育成計画が策定されています。この育成計画を通して社員の所属部門と人事部門が連携し、対象の女性社員に対して研修やワークショップを集中的に開催することで女性の管理職数の増加に取り組んでいます。
企業内にロールモデルがいない際に、キャリア開発の一環としてロールモデルの育成に取り組む手段があることが分かりました。ロールモデルとなる人材を育成することは後継する若手社員の育成にもつながるため、社内で早期にロールモデルを設定すると良いでしょう。
ここまで、ロールモデルを設定する重要性やロールモデルの要件、社員個人または会社が指定してロールモデルを設定する方法をご紹介しました。ロールモデルの設定は社員に目標意識を持たせることができ、モチベーションの向上にもつながります。
ロールモデルの設定がもたらすメリットを得るためには、社員にロールモデルを設定することを積極的に促したり社内でロールモデルを指定したりする取り組みが重要であることが分かりました。
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【参考元】厚生労働省「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」